助祭(読み)ジョサイ

デジタル大辞泉 「助祭」の意味・読み・例文・類語

じょ‐さい【助祭】

カトリック教会聖職者の位の一。司祭の次の位。
[類語]司祭牧師神父司教大司教祭司教皇法王

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精選版 日本国語大辞典 「助祭」の意味・読み・例文・類語

じょ‐さい【助祭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. まつり行事をたすけること。〔広益熟字典(1874)〕
  3. ローマ‐カトリック教会などで、司祭を補佐する役職。また、その人。ミサの従者を務める。教派によって執事輔祭などという。
    1. [初出の実例]「もう神父が一人の助祭と共に彌撒をはじめてゐた」(出典:風立ちぬ(1836‐38)〈堀辰雄〉死のかげの谷)

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普及版 字通 「助祭」の読み・字形・画数・意味

【助祭】じよさい

祖祭を助ける。〔後漢書、章帝紀〕二王の後、先の胤、~百僚從臣、宗室衆子、四裔、沙の北、~阻を陵踐し、駿(すみ)やかに郊畤(祭名)にり、咸(ことごと)く來りて助祭す。宗の功いて(わ)が躬(み)にべり。

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改訂新版 世界大百科事典 「助祭」の意味・わかりやすい解説

助祭 (じょさい)
deacon

新約聖書のギリシア語ディアコノスdiakonos(執事)に由来するカトリック教会の職名。東方正教会での輔祭に相当する。2世紀初頭,アンティオキアイグナティオスのころから,司祭と区別された司教を通して神の民に奉仕する教会の職制として確立。司教の按手によって行われる助祭叙階式の最古の式文は,ヒッポリュトスの《使徒伝承》に見られる。その職域は,典礼における奉仕を中心として教会共同体全体,特に福祉的活動に向けられている。現在のカトリック教会では,司祭職への階段として叙階される場合と,終生助祭としてとどまる永久助祭とが区別されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「助祭」の意味・わかりやすい解説

助祭
じょさい
diaconus; deacon

カトリック教会用語。ギリシア正教会では輔祭,多くのプロテスタント教会では執事という。現在では司祭に次ぐ教会の職とされている。原語のギリシア語 diakonosは食卓などの給仕の意。使徒に代って食事の分配をするため選ばれて按手を受けたステパノら7名 (使徒行伝6章) が教会でのディアコノスの初めとされ,ほかに女性を含む多くのディアコノスが知られている。のち教会制度の発達分化につれて,祭式において司祭を助け,特に教会財産の管理を担当するようになったが,濫用などのためその権利が制限され,現在では司祭叙階のための一過程にすぎなくなった。しかし司祭数の不足などもあって,第2バチカン公会議 (1962~65) 以来その重要性が再認識され,再び独立の教職として発展する方向にある。特に既婚男子と女性助祭の復活が期待されている。

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世界大百科事典(旧版)内の助祭の言及

【執事】より

…キリスト教会の一職務。カトリック教会では助祭,正教会では輔祭。これらの教会と聖公会,ルター派では,司祭もしくは牧師に次ぐ聖職者の職務。…

【聖職者】より

…聖職者の起源は必ずしも明らかでなく,またユダヤ教の祭司の権威と職能がどこまでキリスト教に受け継がれたかについても議論がある。すでに新約聖書のなかに監督(エピスコポス),長老(プレスビュテロス),執事(ディアコノス)の名称が見えているが,2世紀はじめのイグナティオスの書簡によれば,この3者がはっきり区別され,主教司祭助祭の3聖職の原型が成立していたと考えられる。このうち主教は教区の統轄者,司祭はミサ(聖餐式)を中心とする祭儀の執行者,助祭は主教および司祭の補助者である。…

※「助祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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