助（読み）ジョ

デジタル大辞泉

じょ【助】［漢字項目］

［音］ジョ（呉）　［訓］たすける　たすかる　すけ　すける
［学習漢字］3年
〈ジョ〉
１ たすける。たすけ。「助言・助成・助長・助命・助力／一助・援助・救助・互助・賛助・自助・神助・扶助・補助」
２ 主となるものの添えとして働く。「助詞・助手・助役・助教授」
〈すけ〉「助太刀／雲助・三助・甚助・福助」
［名のり］たすく・ひろ・ます

すけ【助】

［名］
１ 助けること。手伝うこと。また、その人。
「貴様だったろう、爺の―をして遣ったのは」〈木下尚江・良人の自白〉
２ 芝居・演芸などで、応援出演する人。また、ある人の代わりに出演する人。代演。
３ 歌舞伎台本を合作するとき、立作者たてさくしゃを補助する立場の作者。
４ 他人の杯の酒を当人に代わって飲むこと。また、その人。
「間あいをいたせ、お―を仕れと仰せつけられ」〈浮・禁短気・六〉
５ 《婦女子をいう盗人などの隠語「なごすけ」の略》俗に、若い女性のこと。
［接尾］
１ 事物の特徴などをとってそれに添え、人の呼称として用いる。「飲み助」「ねぼ助」
２ 受け答えなどの言葉の終わりを省略し、代わりに軽くふざけた気持ちで擬人化して添える。「合点承知の助」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

すけ【助】

1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「すける（助）」の連用形の名詞化 )
   1. ① 助けること。たすけ。手伝い。援助。加勢。また、その人。助手。すけて。
      1. [初出の実例]「此の時に薬の資(スケ)無きときには必病苦を生ず」(出典：西大寺本金光明最勝王経平安初期点（830頃）九)
      2. 「すけなくて、身貧しくなむありけるを」(出典：源氏物語（1001‐14頃）乙女)
   2. ② ⇒すけ（次官）
   3. ③ 昔、相撲で、関脇のこと。すけて。
   4. ④ 資本。もとで。〔日本一鑑窮河話海（1565‐66頃）〕
   5. ⑤ 物を置く場合など、ぐらつかないよう下に敷き、また、支えること。また、そのもの。
      1. [初出の実例]「ころぶ者をすけをかうてたもったことぞ」(出典：玉塵抄（1563）一一)
   6. ⑥ 江戸時代、上方で、町内回りをする髪結いの手助けをするもの。
      1. [初出の実例]「まはりのかみゆひ、スケの男をひとりつれていそがしそふに」(出典：滑稽本・串戯二日酔（1811）下)
   7. ⑦ 他人の杯の酒を代わって飲むこと。また、その人。
      1. [初出の実例]「おすけを仕れと仰付られ、厭はならず度度盃重なりて」(出典：浮世草子・傾城禁短気（1711）六)
   8. ⑧ 役者や寄席芸人などの応援出演。また、代演。
      1. [初出の実例]「他国めぐりの芝居の笛吹、又は何かの助(ス)けなどに頼まれ行」(出典：役者論語（1776）佐渡島日記)
      2. 「私にしてもスケ（補助出演）をヌクくらいは、当り前だと思ってる」(出典：いろは交友録（1953）〈徳川夢声〉し)
   9. ⑨ 「すけべえ（助兵衛）」の略。
      1. [初出の実例]「一つの疵有。今年十五にて大のすけ也」(出典：評判記・長崎土産（1681）四)
   10. ⑩ 子どもを負う帯。繦(すき)。
   11. ⑪ ( 「なごすけ」の略 ) 女、娘をいう、不良仲間の隠語。〔隠語全集（1952）〕
       1. [初出の実例]「『俺のスケもここへ来る』と云った」(出典：ヤゴの分際（1962）〈藤枝静男〉)
   12. ⑫ ⇒すけ（榰柱）
2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ある語に添えて人名化した語を作る。
   1. [初出の実例]「貴様は諸事を息子きどりだが、承知之助(スケ)か」(出典：滑稽本・東海道中膝栗毛（1802‐09）初)

出典　精選版 日本国語大辞典