勤め(読み)ツトメ

デジタル大辞泉 「勤め」の意味・読み・例文・類語

つとめ【勤め/務め】

当然果たさなければならない事柄任務義務。「税金を納めることは国民の―だ」
官公庁・会社などに雇われて、働くこと。勤務。「一日の―を終える」
仏道の修行。また、僧侶日課として行う勤行ごんぎょう。「朝夕の―を欠かさない」
遊女などが稼業として客の相手をすること。
「あの娼妓は、あなたにゃあ―をはなれた、仕うちでげすぜ」〈魯文安愚楽鍋
遊女の揚げ代。また一般に、支払うべき金銭勘定
「四十ばかりの女、…―をとりにきたり」〈滑・膝栗毛・六〉
[類語](1にん任務義務責任責務本務使命役目やく役儀ぶん本分職分職責責め課業日課/(2勤務仕事労働職務作動稼働起動勤労作業労作労務労役実働働き勤続/(3お勤め勤行ごんぎょう看経かんきん読経どきょう礼拝らいはい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「勤め」の意味・読み・例文・類語

つとめ【勤・努・務・勉】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「つとめる(勤)」の連用形の名詞化 )
  2. 精を出して励むこと。また、当然やらなければならない物事。義務。責務。
    1. [初出の実例]「師等努力(ツトメセヨ)。今瞑に必ず城に入る須し」(出典:冥報記長治二年点(1105)上)
  3. 仏語。仏道を修行すること。勤行(ごんぎょう)。精進(しょうじん)
    1. [初出の実例]「遍く請益の勤(ツトメ)を効はし冠世の英賢は屡求法之志を申べたり」(出典:大唐西域記巻十二平安中期点(950頃))
  4. 仕えて仕事をすること。役目として仕事をすること。奉公すること。任務。勤務。職分。
    1. [初出の実例]「是はアブラハムわが言に順ひわが職守(ツトメ)とわが誡命とわが憲法とわが律法を守りしに因てなり」(出典:旧約全書(1888)創世記)
  5. 遊女が、客の相手をすること。また、その稼業や境遇
    1. [初出の実例]「勤の身にて万事は哀れ 塞翁が馬をつないで大臣さま」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第一一)
  6. 遊里での遊興費の勘定。遊女の揚げ代の支払い。枕金。転じて、一般に飲食店などでの代金・勘定書。
    1. [初出の実例]「その代りは此旦那、千増倍の御つとめ、我等たちまち請合奉る」(出典:浮世草子・好色万金丹(1694)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android