精選版 日本国語大辞典 「勧進」の意味・読み・例文・類語
かん‐じん クヮン‥【勧進】

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人に勧めて仏道に入らせ、善根功徳(くどく)を積ませること。勧化(かんげ)ともいう。たとえば念仏を勧めることを念仏勧進という。転じて、善根を積ませる意味で、寺院を建立・修繕する際、信者・有志者に説き勧めて費用を奉納させることをも意味した。勧進の趣意を記した寄付帳を勧進帳という。とくに梵鐘(ぼんしょう)鋳造のための募金を鐘鋳(かねい)の勧進といった。のちには費用を得る方法として興行を催し、観覧料の収入をあてることもあった。このような興行を勧進猿楽(さるがく)、勧進田楽(でんがく)、勧進能、勧進歌舞伎(かぶき)、勧進相撲(すもう)などとよんだ。勧進の仕事に従事する僧尼を勧進上人(しょうにん)、勧進聖(ひじり)、勧進比丘尼(びくに)などと称した。
[田村晃祐]
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
本来は人々を教化して仏道に入らせることをいうが,堂塔の造営や写経などの善根を積むことを勧める意味となり,そのための金品の寄付を募ることをさすようになった。東大寺再建のための募財や,その行為者,それに従う人をいずれも勧進とよんだ。念仏をすすめることを念仏勧進と称するのは本意に近い。勧進のための興行が,勧進猿楽・勧進能・勧進相撲・勧進歌舞伎として行われた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…近世以前にあった入場料をとって公開した大規模な能の催しをいう。勧進とは元来寺社建立,橋梁・道路等の整備補修のための臨時的な寄付募集行為で,勧進能も初めはその目的に沿って催されたが,後には能役者自身の収益をはかるために興行されるようになった。原則として能役者が勝手に興行することはできず,武家貴人の許可と後援とを必要とする特別な行為で,この点は江戸期にいたるまで変わらなかった。…
…寺院の堂塔,仏像,鐘,あるいは各地の橋梁などの造立・修復のために資財(金品)を募りに回国する僧。神宮寺の社僧が神社再建のために勧進することもあった。勧進の原義は衆生救済のために,諸国を歩いて念仏を勧めることにあったが,莫大な経費を必要とする堂塔などの創・再建の資財調達を主目的として回国する聖を勧進聖と称するようになった。…
※「勧進」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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