勿体無い(読み)モッタイナイ

デジタル大辞泉 「勿体無い」の意味・読み・例文・類語

もったい‐な・い【×勿体無い】

[形][文]もったいな・し[ク]
有用なのにそのままにしておいたり、むだにしてしまったりするのが惜しい。「捨てるのは―・い」「使わないでおくには―・い人物
身に過ぎておそれ多い。かたじけない。「―・いおほめのお言葉」
不都合である。ふとどきである。もってのほかである。
「是は言語道断―・きお言葉かな」〈虎明狂・右流左止
[派生]もったいながる[動ラ五]もったいなげ[形動]もったいなさ[名]
[類語](1惜しいあたら残念残り惜しい名残惜しい残り多い口惜しい惜しむ心残り物惜しみ未練愛惜痛惜去り難い後ろ髪未練がましい後を引くしつこい執念深いねちっこいねついねちねち悪あがきうじうじうだうだいじいじぐじぐじもじもじ因循断腸の思い負け惜しみこだわる尾を引く執拗恋恋れんれん惜しげ思い残すたゆたう思い迷う忍びない/(2有り難い恐れ多いかたじけないうれしい恐縮幸甚謝る謝するわびわび言平謝り陳謝謝罪多謝わびる恐懼恐れ入る痛み入る心苦しい身に余る過分かしこまる畏れる謹むしゃちほこばる固くなる縮こまる小さくなるまじめ腐る身の縮む思い畏怖

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精選版 日本国語大辞典 「勿体無い」の意味・読み・例文・類語

もったい‐な・い【勿体無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]もったいな・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. あるべきさまをはずれていて不都合である。不届きである。もってのほかである。もたいなし。
    1. [初出の実例]「あはれ、もったいなき主哉。こがやうにはだかになしてあさらんには」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
  3. おそれ多い。身に過ぎてかたじけない。
    1. [初出の実例]「一向似公方而被上レ敵、甚無勿体」(出典空華日用工夫略集‐永和四年(1378)九月一六日)
    2. 「是は言語道断もったいなきお言葉かな」(出典:虎明本狂言・右流左止(室町末‐近世初))
  4. 使えるものが捨てられたり、働けるものがその能力を発揮しないでいたりして、惜しい感じである。
    1. [初出の実例]「其の上大家の一跡、此の時断亡せん事無勿体(モッタイなク)候」(出典:太平記(14C後)三五)
    2. 「かの銭をなげんとせられしを、近習の人々おしとどめ、これは勿躰(モッタイ)なき事をし給ふ物かな」(出典:仮名草子智恵鑑(1660)五)

勿体無いの派生語

もったいな‐が・る
  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙

勿体無いの派生語

もったいな‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

勿体無いの派生語

もったいな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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