化粧セッケン(化粧石鹼)(読み)けしょうせっけん(英語表記)toilet soap

世界大百科事典 第2版 の解説

けしょうせっけん【化粧セッケン(化粧石鹼) toilet soap】

洗顔,手洗い用のセッケンで,広義には浴用セッケンも含めていう。おもな基剤は高級脂肪酸塩であるが,その原料となる油脂牛脂主体であって,オレイン酸パルミチン酸ステアリン酸に富み,洗浄力および硬さを与える。起泡性をよくするためにヤシ油,洗浄性を高めるために米ぬか油を加える。しかしヤシ油に含まれる低級脂肪酸が皮膚に刺激を与える場合もあり,起泡性などを合成洗剤等で改善する方法もとられている。皮膚への刺激を弱めるためにはpHをやや低くすることが好ましく(pH5~7),高級アルコール硫酸エステル類や非イオン活性剤等の合成洗剤を用いて調整される。

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世界大百科事典内の化粧セッケン(化粧石鹼)の言及

【セッケン(石鹼)】より

…しかし合成洗剤はその機能を重視した開発の結果,廃水中の残留物による環境汚染,皮膚などへの刺激による炎症の原因となることなどの弊害を生じ,セッケンの有用性が見直されている。とくに一般家庭用としては化粧セッケン以外の洗濯用粉末セッケン(粉セッケン)の再評価がなされている。
[セッケン製造法]
 セッケンはすでに1世紀ころガリア人により獣脂と灰とからつくられたといわれる。…

※「化粧セッケン(化粧石鹼)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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