北京ダック(読み)ペキンダック

精選版 日本国語大辞典 「北京ダック」の意味・読み・例文・類語

ペキン‐ダック【北京ダック】

〘名〙 (ダックはduck) 中国産北京種の家鴨(あひる)。また、その丸焼き料理。皮と皮下脂身を食べる。

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デジタル大辞泉 「北京ダック」の意味・読み・例文・類語

ペキン‐ダック【京ダック】

アヒルの一品種。中国で作り出され、大形で全身白い。肉用種。
カオヤーツ

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百科事典マイペディア 「北京ダック」の意味・わかりやすい解説

北京ダック【ペキンダック】

中国原産のペキン種というアヒルを焼いたカオヤーズと呼ばれる有名な北京料理。生後2ヵ月ごろのアヒルに一日数回,強制的に高タンパクの餌を食べさせ太らせる。このアヒルの血と内臓を抜いて処理したのち,皮と肉の間に空気を入れてふくらませ,蜜をくまなく塗って3〜4日陰干しにする。これをカオ炉という炉に入れて,したたり落ちる油に調味料を加えたものを何度も塗りながら焼く。焼き上がったアヒルは皮の部分をそぎ切りにして供する。細切りネギキュウリ,甘い味噌である甜麺醤(ティエンミエンジャン)とともに,小麦粉をといて薄く焼いた円形の餅(ピン)(ハスの葉をかたどったもの)で巻いて食べる。清朝にはすでにカオヤーズを食べさせる店があり,1855年開店の〈便宜坊(ビエンイーファン)〉などが知られていた。
→関連項目甜麺醤

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世界大百科事典 第2版 「北京ダック」の意味・わかりやすい解説

ペキンダック【北京ダック】

中国原産のペキン種と呼ばれる卵肉兼用のアヒル通称(イラスト)。また,これを材料とする北京料理として有名な烤鴨子(カオヤーズ)を指す。生後50日前後のアヒルに高タンパク質の練り餌を1日2~4回,機械で胃の中へ押し込む強制給餌を行う。この特別に肥育したアヒルを内臓を抜いて空気でふくらませたものを,あめを全身に塗って乾かす。これを烤炉と呼ぶかまど(竈)の中につるしてナツメアンズの薪で焼く。途中,したたり落ちる油に香料と調味料を加えたものを何度も表面に塗る。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「北京ダック」の解説

ペキンダック【北京ダック】

中国料理一つで、北京料理の代表的なもの。あひるを丸焼きにし、その皮をそいで薄餅(パオピン)(小麦粉を練った生地を薄くのばして焼いたもの)にとり、甜麺醤(テンメンジャン)、ねぎやきゅうりのせん切りとともに巻いて食べる。

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世界大百科事典内の北京ダックの言及

【アヒル(家鴨∥鶩)】より

…ガンカモ科のマガモを北半球の各地で飼いならした家禽で,中国が最も古く,ヨーロッパでも紀元前後に馴化(じゆんか)されている。祖先種のマガモは候鳥(渡り鳥)で夏はシベリアに渡って繁殖し,一夫一婦性で巣について卵をあたためるが,アヒルは飛翔(ひしよう)力を失い複婚性で就巣性もなくしている。肉用種と卵用種がある。肉用種としてはペキン種Pekin(中国原産,白色,体重3.6~4.1kg。ペキンダック)(イラスト),ルーアン種Rouen(フランス原産,羽色はマガモと同じで雄は頭頸部が青緑色,雌は全身褐色,体重4.1~4.5kg),アオクビ(青首)種(日本在来種,羽色はマガモと同じ,体重3.4~3.7kg),エールズベリー種Aylesbury(イギリス原産,白色,体重4.1~4.5kg)が有名である。…

【中国料理】より

…清代にもなると今日のわれわれにもすでになじみ深い料理が数多く出現する。鴨をふとらせて遠火で丸焼きした烤鴨(北京ダック),鴨の卵を漬けた皮蛋(ピータン),そして燕窩,魚翅も明代とは違って普及した結果,それほど珍しいものでなくなっていた。日本からは長崎貿易を通して輸入された海参の類は珍重された。…

※「北京ダック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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