詩人、映画批評家。明治33年6月3日、滋賀県大津市の生まれ。本名田畔(たぐろ)忠彦。東京帝国大学仏法科を卒業、ついで仏文科に学んだが中退。1924年(大正13)中国の大連で安西冬衛(ふゆえ)らと『亜(あ)』を創刊、翌年処女詩集『三半規管喪失』を出した。一方、福富菁児(せいじ)らと『面』を出す。『朱門』『日本詩人』『青空』などを経て、28年(昭和3)9月の『詩と詩論』に参加。この間、短詩運動から新散文詩運動へと、前衛詩運動を精力的に展開、マックス・ジャコブ散文詩集『骰子筒(さいころづつ)』(1929)の翻訳出版、アンドレ・ブルトンの『超現実主義詩論』(1929)の翻訳紹介などをした。新散文詩運動ののちは、シネ・ポエム論や新叙事詩運動などを提唱。しだいに左傾して『詩と詩論』を離れて神原泰(かんばらたい)らと30年『詩・現実』を創刊、別に『時間』『麺麭(パン)』などをおこした。第二次世界大戦中の曲折を経て、戦後もネオ・リアリズム論などで旺盛(おうせい)に活躍。詩集に『戦争』(1929)、『いやらしい神』(1936)など。詩論書、映画評論書も多い。
[安藤靖彦]
『『日本の詩18 北川冬彦他集』(1979・集英社)』▽『『現代詩鑑賞講座9』(1969・角川書店)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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