千日講(読み)センニチコウ

デジタル大辞泉 「千日講」の意味・読み・例文・類語

せんにち‐こう【千日講】

千日間、法華経読誦どくじゅ講説する法会

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精選版 日本国語大辞典 「千日講」の意味・読み・例文・類語

せんにち‐こう【千日講】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。千日の間、法華経を読誦、講説する法会(ほうえ)。千日の講。
    1. [初出の実例]「其の寺に人を勧めて千日講を行ふ聖人有けり」(出典:今昔物語集(1120頃か)一五)

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改訂新版 世界大百科事典 「千日講」の意味・わかりやすい解説

千日講 (せんにちこう)

一千日を期して行う法華経の講会。平安,鎌倉時代に各地で営まれ,法華経の講経とその聴聞をもって滅罪生善(めつざいしようぜん)のつとめとする信仰風習を助長した。百日,千日の講経を行う貴族は珍しくなかった。宮中でも白河天皇の代に行われている。地方でも営まれ,勧進の聖(ひじり)が寺院を拠点に千日講を主催することがあった。《今昔物語集》巻十五には,筑前国観世音寺(現,福岡県太宰府市)のかたわらの極楽寺で千日講を行う聖人があり,講が終わる日に往生したいとの所願を果たした。のち,この寺では千日講があいつぎ,講を行った僧尼がいずれも講が果てたとき往生した,という話がみえる。
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