千泉(読み)せんせん(英語表記)Qiān quán

改訂新版 世界大百科事典 「千泉」の意味・わかりやすい解説

千泉 (せんせん)
Qiān quán

中国,唐代の史書に突厥可汗の王庭のひとつとしてあらわれる中央アジアのイシク・クル湖西方のオアシス。トルコ語のミン・ブラクming bulaq(千の泉)の意訳。《大唐西域記》によれば,素葉(現在のトクマク付近)と邏私(現在のジャンブル付近)の中間に位置するソグド人の住地で,突厥可汗の避暑地(夏営地)であった。現在のビシケク西方約120kmのメルケMerke(イスラム教徒の地理書にいうMīrkī)にあたり,南方のアレクサンドロフスキー山脈(現,キルギススキー山脈)を背景として,泉にめぐまれ,また豊かな草原ともなっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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