明治憲法の用語。法律,予算,国債,予算外国庫負担契約を成立させるために必要な行為として,憲法が帝国議会に与えた権限(大日本帝国憲法5,37条,62条3項,64条1項)。憲法上天皇は神聖不可侵で統治権を総攬するものと定められていたため,議会の権限は天皇の大権行使を国民の利益のために制限する権能として立憲主義的に理解するよりはむしろこれを“お授け”する地位というように解されていた。ちなみに《憲法義解》は〈議会ハ乃(すなわち)協翼参賛ノ任ニ居ル〉と説明している。協賛はかような天皇の優越的地位とこれに見合う議会の従属的地位を併せ表現することばであり,議会が天皇の行為に対して承認を与えるという立憲主義的語感はここにはない。
→裁可
執筆者:結城 光太郎
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