葉身が一つの葉をいう。葉身が複数の部分に分かれる複葉に対する語。単葉の葉身の形は、線形、針形、楕円(だえん)形、卵形、円形などさまざまである。葉の周縁が大きく切れ込むとき、これを欠刻(けっこく)といい、欠刻をもつ葉はタカオカエデなど多くの種にみられる。また、葉の周縁にある鋸(のこぎり)の歯のようなぎざぎざを鋸歯(きょし)といい、鋸歯をもつ葉はウメなどきわめて多くの種にみられる。葉の周縁に欠刻も鋸歯もない葉を全縁の葉といい、ジンチョウゲなどにみられる。切れ込みの深い葉は、複葉との区別がむずかしく、深裂した複葉状の葉もある(ハマニガナなど)。とくにキク科植物の葉は多様である。シダ植物には複葉をもつものが多いが、ヒトツバ、ノキシノブ、クリハランなどは単葉をもつ種である。
[原 襄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…毛や鱗片などの付属物をつけている場合も多い。葉身lamina(blade)の構成にも変化があり,単葉と複葉に二大別できる(図1)。単葉は葉身が単一の面でできたもので,辺縁は全縁のものから深く切れ込むものまでさまざまで,ほとんど中肋近くまで切れ込むものでは複葉との差がはっきりしない。…
…この場合,上下の翼で一体の架構に組める複葉が構造上有利なので,第1次世界大戦時と戦後の1910~20年代は複葉機が主流だった。だが一方で翼を厚くしても空力的に不利はないとの判断から,内部の骨組みで強度を保てるような厚翼とし,外の支柱や張線を廃して抵抗を減らした片持ち式構造の単葉機も作られ始めた。20年代に外板と骨格で強度を保つセミモノコック構造様式が開発されると,空力的に有利な片持ち式単葉翼が構造上も有利となり,30年代には飛行機の主流がこの形式に統一され今日に及んでいる。…
※「単葉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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