精選版 日本国語大辞典 「博徒」の意味・読み・例文・類語
ばく‐と【博徒】
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賭博(とばく)で世渡りをしている人々。博打(ばくち)打ち、渡世人(とせいにん)ともいい、賭(か)け事が庶民階級に浸透していった平安時代初期のころに発生している。博徒が組織化し武装したのは江戸時代で、幕府が1805年(文化2)に関八州取締所を設置して博徒の取締りを強化したため、江戸および近郊の博徒が上州付近に集まり幕府に対抗した。その後、幕府の取締りも効果がなく、20年後の1827年(文政10)ごろには鉄砲、槍(やり)などで武装し、ますます手のつけられない状態になった。博徒のことを長脇差(ながどす)というが、戦国時代に榛名(はるな)山の中腹にあった箕輪(みのわ)城の武士たちが好んで長い脇差(わきざし)を用いたところから、上州に集まった博徒たちが自然に長脇差で武装し、その別名となった。博徒の集団は一家をなし、統率者を親分といい、子分、孫分、兄弟分、叔父分、隠居という身分階級が定められていて堅い団結を信条としている。博徒の子分になるには、仲人(なこうど)をたて厳粛な儀式で、「一家のため身命を捨てても尽くすことと、親分の顔に泥を塗るような行為はけっしてしないこと」を誓う。博徒の歴史は賭け事の盛衰に伴い消長があるが、第二次世界大戦後は盛り場などを縄張りとする暴力組織と渾然(こんぜん)となり、区別がつかなくなっている。政府の取締りにもかかわらず、博徒の集団や暴力組織が存在することは、日本ばかりでなく、世界の文明国に共通しているが、反面、これらを必要とする要素が文明社会のなかにあることを見逃すことはできない。
[倉茂貞助]
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…18世紀の後半とくに天明の大飢饉以降,関東の農村における農民層の階層分化は激化し,巨大な富を蓄積する豪農層の成長する反面,潰れ百姓,水呑,日雇,出稼,職人,零細な農間余業者,あるいは無宿という,いわゆる没落農民が広範に形成されるようになった。とくに無宿,博徒,渡世人とよばれた遊民化した浮浪人層の増大は,領主支配の秩序を脅かす不穏勢力となってきた。 しかし,これまでの関東領国体制では,十分にそれらの新しい情勢に対応することができなかった。…
…惣作地については〈村並年貢諸役相務め,作徳の内種肥代を渡し,其余分は地頭へ納め,作手間は村役にいたす定法〉(《地方凡例録》)とされ,耕作および年貢諸役を村が負わされていたが,潰百姓の跡地の多くは耕作放棄され,手余地(てあまりち)となった。とくに中期以降,潰百姓が続出して手余地が増加し,貢租収入の減少をもたらし,他方,彼らが離村して博徒,無宿(むしゆく)者,都市細民などに化し,これが治安上の問題ともなり,政治問題化した。その対策が幕政改革の課題の一つとなり,人返し(ひとがえし)の令が出されたが実効を収めえなかった。…
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