厚岸町東部にある楕円形の汽水湖。周囲約二六キロ、面積三一・八平方キロ、最大水深は一一メートルであるが、大部分は一メートル内外である。厚岸湖は約一万年前から九千年前に
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
北海道東部、釧路(くしろ)総合振興局管内の東部の厚岸町にある楕円(だえん)形の汽水湖。周囲約26キロメートル、面積32.3平方キロメートル、最深部は6メートルに達するが、大部分は1メートル未満。西方に幅約600メートルの水路が開いて厚岸湾に通じる。湖内では宮城県から種苗を移入してカキの養殖と、ノリ・アサリ養殖などの栽培漁業が盛ん。数十か所に分布する牡蠣島(かきじま)は、かつて生息した天然カキの貝殻、水生植物、砂泥などからなり、これらに生育する塩性植物群落は1921年(大正10)に国の天然記念物に指定された。なかでも秋になると紅変して湖岸を彩るアッケシソウ(サンゴソウ)は、土砂堆積(たいせき)や波による生育地破壊が進み、絶滅危惧種に指定されている(植物群落は1994年天然記念物の指定解除)。
厚岸湖は、北海道東部を南から北に流れる別寒辺牛(べかんべうし)川の河口にあり、その流域には広大な別寒辺牛湿原が広がっている。厚岸湖は冬も全面凍結せず、国内最大級のオオハクチョウの越冬地となっている。湖の周辺にはオオワシやオジロワシも飛来する。また、別寒辺牛川の上流域はタンチョウの繁殖地である。別寒辺牛湿原は、大部分をヨシやスゲなどが占める低層湿地で、別寒辺牛川の中流域にはミズゴケが盛り上がり、その上には高山植物などが生息する100ヘクタールほどの高層湿原がある。この一帯は国内有数の原生的な自然が残されていることから、厚岸湖・別寒辺牛湿原として、1993年(平成5)にラムサール条約の登録湿地となった。1995年には厚岸水鳥観察館も開館した。厚岸湖・別寒辺牛湿原は、厚岸霧多布昆布森(きりたっぷこんぶもり)国定公園の一部にもなっている。
[古川史郎]
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…釧路港の東方およそ35kmの位置にある。湾口は南を向き,幅約10km,湾奥までの奥行も10km程度の深い湾入をもち,湾奥の砂嘴(さし)によって厚岸湖と区分されている。湾奥の厚岸町中心部は漁港で沿岸漁業・沖合漁業の基地となり,湾内はニシンの好漁場になっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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