厚物(読み)アツモノ

デジタル大辞泉 「厚物」の意味・読み・例文・類語

あつ‐もの【厚物】

花びらがまり状に厚く盛り上がって咲く菊。厚物咲き。

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精選版 日本国語大辞典 「厚物」の意味・読み・例文・類語

あつ‐もの【厚物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 厚く織った絹織物
    1. [初出の実例]「ねりきぬのあつものに、紅葉をぬふたるかうはいのしとねの上に」(出典:御伽草子・鶴の翁(岩波文庫所収)(室町末)上)
  3. 菊の園芸品種の一群花弁が管状で、まり状に厚く盛り上がった頭花を開く大菊。厚物咲き。⇔平物(ひらもの)
    1. [初出の実例]「一輪作は大菊性のものにて、一文字菊を始めとし厚物(アツモノ)、間管、太管、細管など」(出典:東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉十一月暦)

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世界大百科事典(旧版)内の厚物の言及

【キク(菊)】より


[分類]
 キクはその花形が多彩であるので,花の大きさや咲き方で,いろいろに分類される(イラスト)。趣味ギクでは,一般に大菊,中菊,小菊に分け,大菊は花形によって,厚物(あつもの),管物(くだもの),摑(つか)み菊,一文字(いちもんじ)菊,美濃菊などに分けられている。 このうち大菊の厚物とは,幅の広い舟底弁が重なり合って盛り上がった花形で,最も一般的である。…

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