精選版 日本国語大辞典 「去来」の意味・読み・例文・類語
きょらい【去来】
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江戸中期の俳人。向井氏。通称平次郎、字(あざな)は元淵、庵号(あんごう)落柿舎(らくししゃ)。儒医元升の次男(兄元端、妹千代など9人兄妹)として肥前国長崎に生まれ、8歳のとき、父の移住に伴い上京。一時、福岡の母方の叔父久米(くめ)家の養子となって武芸の道を学び、その奥儀を極めたが、24、25歳のころ弓矢を捨てて帰京し、陰陽道(おんみょうどう)の学をもって堂上家に仕えた。
1684年(貞享1)以降、芭蕉(ばしょう)に師事して俳諧(はいかい)に専念し、翌年には嵯峨(さが)落柿舎に隠棲(いんせい)、蕉門の代表的撰集(せんしゅう)となった『猿蓑(さるみの)』編纂(へんさん)の任を与えられるなど、芭蕉の信頼厚く、関西の俳諧奉行(ぶぎょう)と称されるほどであった。芭蕉没後は、浪化(ろうか)、風国、卯七(うしち)ら門友間に忠実な師風を伝えることに努め、『去来文(きょらいぶみ)』『旅寝論(たびねろん)』などの俳論書を著し、また同門高弟連の邪道に走るを戒めるべく許六(きょりく)と論争(俳諧問答)を重ねたりしたが、蕉風随一の俳論書として評価の高い『去来抄』は、いわばそれらの総決算であった。篤実穏健な人柄は、反面強い自負心に支えられ、作風は、蕉風の真髄を悟って高雅清寂であるが、晩年はしだいに平明に向かっている。宝永(ほうえい)元年9月10日、京岡崎聖護院(しょうごいん)の家に没した。墓は洛北(らくほく)真如堂(しんにょどう)に一門の人々とともにあったがいまは失われ、洛西嵯峨に招魂の小碑が建っている。
[堀切 實]
秋風やしらきの弓に弦(つる)はらん
『杉浦正一郎他編『向井去来』(1954・去来顕彰会)』▽『大内初夫他編『去来先生全集』(1982・落柿舎保存会)』
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…なお,俳諧の〈さび〉は中世の〈さび〉に,さらに俳諧固有の滑稽・諧謔のいぶしがかけられている。ただ,芭蕉自身が〈さび〉を語った例は少なく,去来の句〈花守や白きかしらをつき合せ〉を〈さび色よくあらはれ,悦(よろこび)候〉(《去来抄》)と評したのが最も確かな資料の一つといわれる。なお,去来によると,その微妙な味わいは,たとえていえば,老人が甲冑に身を固めて華々しく奮戦しても,また錦繡を着飾って御宴にはべっても,そこにおのずからにじみ出る老の姿があるようなものだという。…
…2匁5分。編者は京蕉門の去来・凡兆であるが,おくのほそ道行脚の後,上方滞在中の芭蕉がこれを後見し,行脚による新風開眼の成果を盛って,俳壇の蕉門認識を新たにした。蕉門の許六・支考が〈俳諧の古今集〉と評しているように,蕉風円熟期を代表する撰集で,のちに《俳諧七部集》の第5集となった。…
…許六の〈師の説〉に〈十哲の門人〉と見えるが,だれを数えるかは記されていない。その顔ぶれは諸書により異同があるが,1832年(天保3)刊の青々編《続俳家奇人談》に掲げられた蕪村の賛画にある,其角,嵐雪,去来,丈草,許六(きよりく),杉風(さんぷう),支考,野坡(やば),越人(えつじん),北枝(各項参照)をあげるのがふつうである。【石川 八朗】。…
…江戸中期の俳諧論書。蕉門の俳人向井去来の著。1699年(元禄12)3月自序。…
…俳諧論書。元禄10年(1697)閏2月付で去来が其角(きかく)に送った書状を皮切りに,翌年にかけて許六(きよりく)と去来の間で交わされた往復書簡を集めたもの。〈贈晋氏其角書〉〈贈落柿舎去来書〉〈答許子問難弁〉〈再呈落柿舎先生〉〈俳諧自讃之論〉〈自得発明弁〉〈同門評判〉から成る。…
…不易と流行という相反する概念を結合することによって,つねに新しい俳諧美の創出を心がけつつ,なお和歌の一体としての風尚を保たなければならない,俳文学の内部矛盾を克服するために案出された俳理論と考えられるが,蕉門内部においても理解が一致していたとは言いがたい。向井去来(きよらい)は〈蕉門に千歳不易の句,一時流行の句と云ふ有り。是を二つに分けて教へ給へる。…
※「去来」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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