(読み)サン

デジタル大辞泉 「参」の意味・読み・例文・類語

さん【参〔參〕】[漢字項目]

[音]サン(呉)(漢) シン(呉)(漢) [訓]まいる みつ みっつ
学習漢字]4年
〈サン〉
照らし合わせる。「参考参照
加わる。仲間入りする。「参加参画参政参謀古参新参しんざん
ある目的のためにそこへ行く。まいる。「参賀参観参拝帰参持参日参墓参
「三」の大字。「参万円」
参議院」の略。「衆参両院」
三河みかわ国。「参州
〈シン〉
そろわないさま。「参差しんし
人参にんじん。「独参湯どくじんとう
[名のり]かず・ちか・なか・ほし・み・みち
[難読]海参いりこ参宿しんしゅく

まい〔まゐ〕【参】

《用例は連用形のみで、上一段活用動詞か上二段活用動詞か不明》参上する。単独の用例はごく少なく「まいく(参来)」「まいむかう(参向)」など、複合動詞として用いられる。
「山越え野行き都辺に―し我が背を」〈・四一一六〉

さん【参】

加わること。参加。「・不参を問う」
朝廷・寺社など尊貴の所に行くこと。まいること。
「―を以てもお悦び申さんと存ずる折から」〈浄・歌軍法

しん【参】

二十八宿の一。西方の第七宿。現在のオリオン座の中央部に三つ連なって並ぶ星をさす。からすきぼし。みつらぼし。三つ星。参宿。

しん【参】[漢字項目]

さん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「参」の意味・読み・例文・類語

まいりまゐり【参】

  1. 〘 名詞 〙 ( 五(四)段活用動詞「まいる(参)」の連用形の名詞化 )
  2. 「行くこと」を、その行く先方を敬っていう。参上。また、特に、宮中に行くこと。参内
    1. [初出の実例]「朝参(まゐり)の君が姿を見ず久にひなにし住めばあれ恋ひにけり」(出典万葉集(8C後)一八・四一二一)
  3. 特に、五節(ごせち)舞姫が参内すること。→五節の参り
    1. [初出の実例]「ひんがしの院には、まいりの夜の人々の装束せさせ給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
  4. 中宮・皇后または女御になる人が、礼式を整えてはじめて内裏にはいること。入内。
    1. [初出の実例]「前斎宮の御まいりの事、中宮の御心に入れて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)
  5. 神仏に参詣すること。また、その人。
    1. [初出の実例]「今は北野へのまいりじゃほどにたすくる」(出典:虎明本狂言・太刀奪(室町末‐近世初))

さん【参】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. まいること。参上すること。また、列や仲間に加わること。参加すること。
      1. [初出の実例]「遂(サンヲトゲ)」(出典:文明本節用集(室町中))
      2. [その他の文献]〔後漢書‐班固伝〕
    2. 仏語禅宗で、住持が人を集めて教えを説き示すことをいう。また、師に謁すること、坐禅することなどをもいう。早参、晩参小参などがある。
      1. [初出の実例]「只子細に参と不参とによりて、徹人未徹人あり必ずしも人をえらぶにあらず」(出典:伝光録(1299‐1302頃)脇尊者)
      2. [その他の文献]〔勅修百丈清規‐二〕
    3. さん(三)
  2. [ 2 ]しん(参)

しん【参】

  1. 二十八宿の西方第七宿。オリオン座中央部の三つの星とその周辺の星をさす。参宿(しんしゅく)。からすきぼし。みつぼし。
    1. [初出の実例]「参横月落暗香来、姑射仙人氷胚胎」(出典:岷峨集(1313‐28頃)上・梅坡手軸)
    2. [その他の文献]〔詩経‐召南・小星〕

まいまゐ【参】

  1. ( 上一段活用と考えられる動詞「まいる(参)」の連用形 ) ⇒まいる(参)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android