精選版 日本国語大辞典 「反響」の意味・読み・例文・類語
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山彦(やまびこ)のように、同じ音源から出た音でも、直接耳に到来する音と、山や谷などの反射物から反射して帰ってくる音との間に、ある程度の時間遅れがあると、音は二つ、もしくはそれ以上に分離して聞こえる現象がある。これを反響またはエコーechoとよぶ。時間遅れのある多数の反射音があっても、分離して聞こえない場合は「残響」とよばれ、反響とは区別して用いられる。
反射音の時間遅れが小さい場合には、直接音より10デシベルくらい強くても、分離しては聞こえず、むしろ直接音を補強する効果があり、望ましいものである。一般に、反射音が直接音より、およそ50ミリ秒以上遅れると、反響を感じるといわれている。
ことばは短い音の連続した繰り返しであるから、反響があると、明瞭(めいりょう)度が著しく低下する。また音楽でも、リズムを狂わせ演奏できなくなる場合さえあるので、反響は室内での音響障害のうち最悪のものとされている。大きなホールなどで、もっとも反響の原因となりやすい反射音は、音源と壁面間距離の長くなる後壁からのものである。幅や室高が大きい場合には、側壁や天井、さらには平坦(へいたん)な広い面をもつバルコニー壁面も反響の原因となりやすい。したがって、大きなホールを計画する場合とくに、反射音がよく拡散するような室形とすることがたいせつである。
反響は、直接音に対する反射音の時間遅れに大きく関係するが、そのほか、直接音の大きさそのもの、直接音と反射音のレベル差、反射音の到来方向、音源の種類などにも、複雑に関係している。
[古江嘉弘]
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…大気中を伝わる音波が固体面によって反射され,音源の方向に戻って来る現象。こだま,エコーともいう。一般には野外で音波が山体,崖,木立,家屋など大規模な地物で反射して来る場合にいい,室内で起こる同種の現象は反響(場合によっては残響)と呼ぶ。 山彦の現象は,自然現象ではなく,山谷に人以外の者がいてそれが人の声をまねしているのだと考えられていた。茨城では〈あまのじゃく(天邪鬼)〉がまねをするのだといい,静岡では〈山の小僧〉,鳥取では呼子(よぶこ)とか呼子鳥(よぶこどり)というものが声を発しているのだと伝えている。…
…エコーはギリシア神話の森のニンフの名に由来し,本来は山彦のことである。室内音響では,これを反響と名付け,音源から直接に到来した音波に対し,それと聴感上区別できるような時間遅れをもつ反射音波をいう。反響に対し,音が室内の壁や天井,床などで反射を繰り返し全体に響く響きを残響という。…
…エコロケーションともいう。動物が自分で音を出し,その音の反響によって定位を行うことをいう。ソナーやレーダーと同じ原理である。…
※「反響」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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