口中(読み)コウチュウ

デジタル大辞泉 「口中」の意味・読み・例文・類語

こう‐ちゅう【口中】

くちなか。「口中に含む」
接吻せっぷん
好色の家にては―をたしなむこと最上の業なり」〈色道大鏡・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「口中」の意味・読み・例文・類語

こう‐ちゅう【口中】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 口のなか。口内。
    1. [初出の実例]「口中峡谷空堂裏。風気相撃声響起」(出典:性霊集‐一〇(1079)十喩詩)
    2. 「兵乱打ちつづきて、口中(コウチウ)の食を奪ひ取るは、天下の人民餓死に及ぶ」(出典源平盛衰記(14C前)四三)
    3. [その他の文献]〔史記‐任敖伝〕
  3. 接吻(せっぷん)。→口中を契る
    1. [初出の実例]「顔をだす斗はいいが、口中なんぞはあやまるぜ」(出典:洒落本・酒徒雅(1803)二)
  4. 発音発声
    1. [初出の実例]「口中の大事をしらざれば、開合をも知らず」(出典:随筆・戴恩記(1644頃)上)
  5. 飲食のこと。
    1. [初出の実例]「口中(カウチウ)を養ふばかりを、孝行と意得る事、浅ましき事なり」(出典:仮名草子・身の鏡(1659)下)

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