口先(読み)クチサキ

デジタル大辞泉 「口先」の意味・読み・例文・類語

くち‐さき【口先】

口の先端。「口先をとがらせる」
本心でないうわべだけの言葉。ただ口でだけ言っている言葉。また、ものの言い方。「口先だけの約束」「口先で人を言いくるめる」「口先のうまい人」
[類語](2舌先弁舌口舌こうぜつ舌先三寸話半分

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「口先」の意味・読み・例文・類語

くち‐さき【口先・口頭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 口の先端。唇(くちびる)
    1. [初出の実例]「、黄馬黒喙(げい)、そうの毛の色黄にして、くちさきが黒ぞ」(出典:玉塵抄(1563)二〇)
  3. うわべばかりの言いぐさ。実際とはちがった事をただ口でうまく言っているだけのこと。また、そのことば。口の先。
    1. [初出の実例]「左衛門督殿口さきをもって、二度敵になしたると申て」(出典:三河物語(1626頃)三)
    2. 「口頭(クチサキ)(ばか)しぢゃ無いの、真実姉様と思ってるの」(出典:魔風恋風(1903)〈小杉天外〉前)
  4. 口のきき方。ものの言い方。
    1. [初出の実例]「論議決択之吻(くちさき)、破満座惑」(出典:新猿楽記(1061‐65頃))

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