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デジタル大辞泉
「口蓋」の意味・読み・例文・類語
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口蓋【こうがい】
脊椎動物において口腔の上壁で鼻腔との境をつくる部分。魚類では口腔と鼻腔がつながらないが,両生類以上では内鼻孔でつながる。前方の広い範囲は骨がその基礎をつくるので,硬口蓋と呼ばれ,後方の狭い範囲は内に骨がなく横紋筋を多くもつので軟口蓋と呼ばれ,いずれも多数の粘液腺をもった粘膜でおおわれる。軟口蓋の後部は口蓋帆といってよく動き,その中央部は口蓋垂と呼ばれる。口蓋帆は食物の嚥下(えんげ)に際し引き上げられて,食物が鼻腔に入らないようにふさぐ。口蓋の両側から口蓋弓と呼ぶ2本の弓状の粘膜が下方に下がり,ひだの間で下端はくぼんで口蓋扁桃(へんとう)をいれる。
→関連項目口
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こうがい【口蓋 palate】
一般に脊椎動物における口腔つまり口の空所の天井をいう。鳥類,大半の爬虫類,およびそれ以下の動物のもつ口蓋と,一部の高等爬虫類および哺乳類の口蓋とは構造がまったく違うので,前者を一次口蓋,後者を二次口蓋とよんで区別する。ふつう魚類では,鼻孔は口の付近にある嗅覚をつかさどる1対の穴で,口腔には通じないから鼻腔というものがない。したがって口腔の天井は一定の骨格を中核とする上顎の口腔面が粘膜に覆われたもので,このような口蓋が一次口蓋の最も単純なものである(ただし,軟骨魚類では,口腔内面は楯鱗(じゆんりん)で覆われている)。
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口蓋
こうがい
palate
口腔の上壁にあたる部分をいう。前方部を硬口蓋といい,ここは上顎骨の口蓋突起と口蓋骨の水平板があるので硬い。のどの奥のほうの後方部を軟口蓋といい,その内部に骨を欠き,多くの横紋筋を有する。その後端は遊離して口蓋帆となり,その中央部は細く垂れ下がって,口蓋垂 (俗にいうのどちんこ) となっている。口蓋垂はよく動き,口腔と咽頭の境である口峡の広さを変える働きをする。
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