中国,清初に編纂された中国最大の類書(百科全書)。1万巻。暦象,方輿,明倫,博物,理学,経済の6彙編を32典に,またそれを6109部に分かち,各部を彙考,総論,図表,列伝,芸文,選句,紀事,雑録の諸事項に区分している。1698年(康煕37)に康煕帝の勅命を受けた陳夢雷が纂修館総裁となって,この編纂事業は始まった。以来24年を経てなお刊行に至らぬまま雍正帝の世を迎えたとき,彼は清初の三藩の乱に荷担した罪を問われて黒竜江省に流されたので,あらためて蔣廷錫が勅を奉じて事業を継承し,1725年(雍正3)に完成,翌々年に銅版印刷法を用いて64部を刷った。同書はその後の学術の進展にさほど寄与したと思えないが,後年乾隆帝が《四庫全書》を編纂させたとき,《古今図書集成》未収書を《永楽大典》から復元させるなど編集の規範として役立てられたほか,500部以上の書物を乾隆帝に進献した鮑士恭,范懋柱,汪啓淑,馬裕の4家に恩賞として各1部が下賜されたという。
執筆者:勝村 哲也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
中国最大の百科事典(類書)。1万巻。清(しん)の康煕(こうき)年間(1662~1722)陳夢雷(ちんぼうらい)が勅命によって、中国古今のあらゆる図書から記事を抜き出して、事項別に編纂(へんさん)した。もとの名は『彙編(いへん)』といったが、康煕帝は『欽定(きんてい)古今図書集成』と名を改めた。さらに、蒋廷錫(しょうていしゃく)らが雍正帝(ようせいてい)の命を受け、増訂して1725年12月完成した。内容は、(1)暦象彙編―乾象(けんしょう)典、歳功典、暦法典、庶徴典、(2)方輿(ほうよ)彙編―坤輿(こんよ)典、職方典、山川典、辺裔(へんえい)典など6彙編32典に分けられ、さらに6109部に細分されている。各部はほぼ彙考、総論、図表、列伝、芸文(げいもん)、選句、紀事、雑録、外編に区分して記載してある。本書は非常に膨大なものなので、ある事項をみるうえでは便利であるが、かならず原典にあたる必要がある。雍正版のほか光緒(こうしょ)一〇年(1884)版があり、事項検出には『古今図書集成分類目録』(1912・文部省編)などが便利である。
[川越泰博]
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清代にできた類書(百科事典)。1万巻。康熙(こうき)帝,雍正(ようせい)帝の命により編纂され,1725年に完成,出版された。6大部門,32典,6109部に分け,古今の典籍から記事を抜き出していて,すこぶる便利である。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
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