出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
アダム・スミス、マルサス、リカード、J・B・セー、J・S・ミルら、いわゆる古典学派に属する経済学者によって発展させられた経済学の体系をいう。
[編集部]
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…したがって,経済学説史研究の意義は,現在のところ流行遅れであり,不振である休眠状態の学説に関する研究を継続することにより,そのパラダイムが中心的部分を保持しつつ周辺部分を改善して復活するのを促進し,現代経済理論のフロンティアを前進させるために資することにある。
【古典派経済学】
経済学の歴史的な源泉の一つは哲学の内部における経済的思想であり,アリストテレスの考えによってアクイナスが展開した中世の公正価格論はその代表的なものの一つである。それは競争的市場が存在しない場合に価格をどのように決定すべきかを論ずる規範的理論であり,最近の所得政策,労使間の団体交渉による賃金の決定との関連で,現代的意義をもつといえる。…
…〈資本〉の語は経済学においてさまざまな意味に用いられるが,その用法になんらの統一もないというわけではない。この概念は資本主義経済あるいはその萌芽である経済組織を分析するための概念として発生したものであり,その意味は根本において二つに限定される。資本は第1に,個人にとって所得を得るための手段である資産の蓄積を意味し,第2に,社会にとって生産を行うための要件である実物の蓄積を意味する。日常の用法では,〈資本〉の語は元手,つまり貸付けを通じて利子を獲得するための元金,あるいは営業の成立に必要な資金を指すのが普通である。…
…しかし《資本論》の体系の構成からいうと,このイデオロギーの面が,ネガティブに,裏面になっていて,イギリス古典学派の批判的展開としての経済学が,ポジティブに,表面に,出ている形になっている。
[イギリス古典派経済学]
A.スミスの《国富論》や,D.リカードの《経済学および課税の原理》によって代表されるイギリス古典派経済学は,確立しつつあった資本制商品経済社会の基盤に立って,社会各層の生活の基礎である賃金や利潤,地代などの所得のカテゴリーを,商品価格の構成要素として取り出し,それらの相互関係や運動を,商品の売買(=価格)に働く交換価値法則(労働価値説)によって説明しようとした。こうして資本主義社会の経済的編成とその運動法則を明らかにしようとする経済学の古典的なパラダイムができあがった。…
…元来はA.スミス,D.リカード,J.S.ミルらのイギリス古典派経済学に対して,限界革命以降のA.マーシャルを中心とするA.C.ピグー,D.H.ロバートソンらのケンブリッジ学派の経済学を指す。 古典派(古典学派ともいう)と新古典派(新古典学派ともいう)との基本的な相違は,前者が商品の交換価値(〈価値〉の項参照)はもっぱらその生産に投下された労働価値によって決まるとしたのに対して,後者は価値の由来を生産費とならんで需要側の限界効用に求める点にある。…
…スミス,リカードからイギリス経済学の正統を引くJ.S.ミルの《経済学原理》(1848)は,1871年にミル自身による最後の改訂版として出版されたが,そのころマルクスの《資本論》(1868),ジェボンズの《経済学の理論》(1871),メンガーの《国民経済学原理》(1871)など新しい動向を象徴する著作が現れるようになっていた。それは時代の変化とともに権威を失いつつあった古典学派(古典派経済学)に対する反乱の時代であった。その影響は経済学のさまざまな分野に及んだが,価値の理論の分野では,リカードのあいまいさに対するジェボンズの反発から生じた論争が,商品の価値の決定において生産費と需要の演じる役割をめぐって闘わされた。…
…40年代後半以後の固有思想といっても,唯物史観ひいては世界観全般の基本的視座の確立が先鞭となり,それとほぼ並行して共産主義革命の理論が形成されたのち,経済学の体系がしだいに整うにつれて共産主義理論もさらに具体的に肉付けされるといった,かなり複雑な形成過程の所産である。が,達成された理論的地歩を思想史的に位置づけていうかぎり,マルクスの思想はいわゆる〈三つの源泉〉すなわち,第1にドイツ古典哲学,第2にフランスを中心に台頭した社会主義思想,第3にイギリスで完成された古典派経済学の学問的成果を,一種独特の仕方で総合的に統一したものということができよう。 しかし,マルクスの思想は,近代知の諸成果を単に総括したものではない。…
…彼ほど世俗の利害や党派的な感情に惑わされない人物はまれであったといえよう。 経済学者としてのミルは古典派経済学の完成者と呼ばれ,同時にイギリス社会主義の父とも呼ばれたが,正確にいえば,古典派を頂点まで理解することによって,その限界をも知るに至り,体系を拡張したということである。そのことは彼の《経済学原理》の初版と第3版(1852)との差異に見ることができる。…
※「古典派経済学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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