精選版 日本国語大辞典 「古詩」の意味・読み・例文・類語
こ‐し【古詩】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
中国古典詩の一体。元来は六朝(りくちょう)時代に、それより古い時代の詩、という意味で、主として漢代の詩をさしていったものである。唐代になって近(今)体詩(絶句・律詩)が新たにおこってからは、近体詩に対する古(体)詩の意味に用いられるようになった。すなわち、近体詩でないものが古詩であるが、通常これは2種の意味をもつ。第一は近体詩成立以前の詩、すなわち太古から隋(ずい)までのすべての詩をさす。ただし、『詩経(しきょう)』と『楚辞(そじ)』の詩は含まれないのが普通である。明(みん)・清(しん)代に多く編纂(へんさん)された古詩の集は、いずれもこの類の古詩を対象とする。第二は近体詩成立以後でも、近体詩の規格に沿わない詩をさす。一般的に、古詩の体裁を近体詩と比較すると、すべてに自由であることが特色である。つまり、(1)句数の長短に制限がない、(2)律詩のような対句を用いる決まりもない、(3)韻の踏み方も、近体詩のように平声(ひょうしょう)に属する一種の韻を偶数番目の句末に踏む(第一句にも踏むことがある)というのではなく、仄(そく)韻(平らでない声調に属する韻)を用いたり、途中で韻をかえたり(換韻)、毎句末に韻を踏んだりすることがある。
古詩は長い時代の広がりのなかに、4句、6句の短いものから二百数十句に及ぶ長いものまで、近体詩に近似する整ったものから、長短不ぞろいの字数の句を含む楽府(がふ)体まで、多様なタイプに分かれるが、自由な体裁ゆえに自由な歌いぶりをもって、近体詩と詩を二分する形で後世に受け継がれた。主要な形式は近体詩と同じく、五言(ごごん)と七言である。
[石川忠久]
『石川忠久著「古詩」(『中国文化叢書4 文学概論』所収・1967・大修館書店)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…押韻は平声のみを用いる。仄声の押韻で,近体の平仄の規則に従った詩がときとしてあるが,仄韻の近体とも,近体に似た古詩ともみることができる。一韻到底と称して,一度定めた押韻は,途中で変更することはできない。…
※「古詩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新