精選版 日本国語大辞典 「台地」の意味・読み・例文・類語
だい‐ち【台地】
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四方ないし一方を崖(がけ)で縁どられ、周囲より一段と高い平坦(へいたん)地を頂にもつ卓状ないし階段状の高台。ほぼ水平な地層からなる。その平坦地を台地面といい、それを囲む崖や急斜面を台地崖(だいちがい)とよぶ。背後に段丘崖のある狭い台地は段丘とよばれる。数十万年前以降に扇状地、三角州、海岸平野、浅海底、あるいは火山の山麓(さんろく)などが隆起して侵食され、周囲に崖が生じることによって形成された洪積台地が日本各地に広く発達している。その代表例が関東平野である。
台地の形成過程を理解するために、地球温暖化により陸地の氷河が融解し、海面がしだいに上昇することを考えてみるとよい。東京湾は拡大し下町の低地が海になり、入り江は埼玉県から群馬県へと拡大するであろう。入り江に立つ波は周囲の台地を侵食して海食台を発達させ、そこで生じた土砂は入り江に堆積(たいせき)するであろう。さらに海面が上昇すると、入り江の水深は増して波が強まり、台地はさらに侵食され、ついには入り江の底は深い海の底になって大東京湾が生じるであろう。
このような事変が今から15万年前から12万年前にかけて実際に生じた。当時の拡大した東京湾は古東京湾とよばれている。この海が10万年前、8万年前としだいに低下するにつれて、深かった入り江は浅くなり、海進期に海食台上に堆積していた土砂は沿岸環境下で強い波によって再移動させられ離水した。川によって陸地から土砂が供給された場所では、離水期に河成平野が発達した。たとえば、東京では多摩川が扇状地を発達させ、鬼怒(きぬ)川は筑波(つくば)台地に鳥趾状三角州(ちょうしじょうさんかくす)(水鳥が足を広げたような平面形をもつ三角州)を発達させた。これらの河成平野は数万年前以降に海水準がどんどん下がり、2万年ほど前には今より100メートルほども下がる過程で台地化した。
当時の台地は関東平野では現在も残されているが、越後平野にはみられない。関東平野はこの10万年間に数十メートル(年間0.2~0.3ミリメートル)隆起し続けてきたが、一方、越後平野は信濃(しなの)川や阿賀野(あがの)川などからの大量の土砂が堆積し続けることによって沈降し、後氷期の海進によってふたたび入り江になり、台地は土砂に埋め立てられてしまったためである。
なお、世界の安定大陸には洪積台地とはまったく異なる台地が発達している。たとえば、アメリカ西部のコロラド高原の南西部に広がるコロラド台地は、新生代や中生代の地層が1000万年という長い時間をかけて厚さ1000メートルほども侵食された結果、侵食されにくい石灰岩層が地表に露出してできた広大な台地で、スペイン語でテーブルを意味するメサとよばれる。日本にも香川県の屋島や群馬県の荒船山をはじめ、侵食されにくい水平層でできた台地があるが、いずれも小規模である。
[池田 宏]
『池田宏著『地形を見る目』(2001・古今書院)』
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…ほぼ水平で平たんな地表面(段丘面)とその前方あるいは背後の急傾斜な崖(段丘崖)からなる。〈台地〉とほぼ同様な地形をさすが,台地が〈低地〉に対立する語として用いられ,その階段状の平たんな地形を構成する地層や地質のいかんによらないのに対して,段丘は過去の水面(河川,海,湖など)に関連して水中で形成された平たん面がその後に離水した地形をさし,河岸段丘,海岸段丘,湖岸段丘lacustrine terraceなどに区分される。したがって溶岩台地とはいうが,溶岩段丘とはいわない。…
※「台地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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