江戸の吉原遊郭の案内書の一種。古くは細見絵図(細見図)と称し,一枚摺りの絵図で図示して,各家の抱えの女郎名,位付(くらいづけ)から,くつわ(女郎の抱え主),揚屋(あげや),茶屋,その他廓中の商人,芸能人までを記した。現存する最古のものは1689年(元禄2)刊の《絵入大画図》(袋外題《吉原大絵図》)である(万治・寛文(1658-73)ごろという説は誤り)。ただし,貞享5年版《吉原細見図》があったことは知られている。享保年間(1716-36)から冊子型となる。はじめは横本,のち縦長本。巻頭には必ず廓中の絵図を掲げる。1年に1部以上刊行され,明治初年に及んだ。地本問屋蔦屋(つたや)重三郎が版元となって四方山人,朱楽菅江(あけらかんこう),山東京伝など戯作者が序文を執筆しており,遊興のための実用書であると同時に文学的にも注意される。遊女評判記は吉原細見の先駆的冊子。
執筆者:宗政 五十緒
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…火災による仮宅(かりたく)営業中は仮宅細見を発行した。以上は吉原細見の例であるが,もちろん他の遊郭の細見も出版され,その土地の特殊性を反映させた。しかし,量的には吉原細見が抜群であり,ことに竪本以後は蜀山人,山東京伝ら著名文人が序文を執筆したことで,吉原細見をいっそう有名にした。…
※「吉原細見」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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