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君主制をとる国家間の結合。人的同君連合personal unionと物的同君連合real unionとの2種類に分けられる。前者は、王位継承などの関係でたまたま複数の国家が同一の君主をもつ結果になったもので、それぞれの国家は独立国家として存在し続ける。スチュアート家の君主のもとでのイングランドとスコットランド(1603~1707)、ハノーバー家のもとでのイギリスとハノーバー(1707~1837)、オラニエ家のもとでのオランダとルクセンブルク(1815~1908)などがある。この同君連合が名目的なものであるのに反し、物的同君連合は、複数の国家が同一人物を共通の君主としてもつことに同意し結合したもので、それぞれの国家は内部的には独立しながらも、国際法上は一つの国家として外交、軍事などに対処する。スウェーデンとノルウェー(1814~1905)、オーストリアとハンガリー(1867~1918)などがこれに属する。なおイギリス連邦は通常、同君連合とは考えない。
[今井 宏]
同一君主のもとでの国家の結合関係。王位継承により偶然生じたものと,複数国家が合意のうえで同一人物を君主にするものとがある。前者の例としては1603~1707年のステュアート家によるイングランドとスコットランド,および1714~1837年までのイギリスとハノーヴァーの関係がある。また後者には14世紀後半以降のデンマーク,スウェーデン,ノルウェー間の関係がある。デンマークとノルウェーの関係は1814年まで続き,スウェーデンとノルウェーの同君連合は1905年まで継続した。
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…したがって,実際にはコモンウェルスのように,どのタイプにも該当しない独特な国家結合もありうる。通常,国家結合として示されるのは,同君連合,国家連合,連邦制,保護国・被保護国,宗主国・従属国である。同君連合は君主国について認められ,複数国家が偶然に同一人物を君主とする身上連合personal union(例,1714‐1837年のイギリスとハノーバー朝)と,複数国家が合意して同一人物を君主とする物上連合real union(例,1814‐1905年のスウェーデンとノルウェー)とに細分される。…
…夫のフランソワ2世の病死により帰国したメアリーは,新旧両教派の貴族の抗争にまきこまれ,みずからの不品行もあって退位し,67年息子のジェームズ6世が即位した。しかしメアリーの生涯のライバルであったイングランド・チューダー朝のエリザベス1世が未婚で王位継承者をもたなかったため,1603年ジェームズが,チューダー朝の開祖ヘンリー7世の玄孫にあたる血縁関係からイングランドに迎えられ,ジェームズ1世として即位し,両王国は同君連合の関係に入った。これがイングランドにおけるスチュアート朝の始まりである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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