医学的には悪心(おしん)という。一般には、胃の食物内容などを食道、口腔(こうくう)を経て外に吐き出す現象である嘔吐(おうと)に先だっておこる「むかむか」して吐きそうになる不快感を意味している。吐き気は種々の原因によっておこるが、延髄にある嘔吐中枢が直接あるいは間接に刺激されることによっておこるとされている。不消化な食物を食べたとか、胃下垂、胃炎、胃潰瘍(かいよう)などの場合におこることが多いが、中毒、脳圧上昇、脳神経刺激、精神的状況などによっておこることも少なくない。さらに、いわゆる乗り物に酔うとか、あるいは妊娠の際の「つわり」による早朝時や空腹時の吐き気などは、それほど病的なものとは理解されないし、個人差もまた大きい。
[渡辺 裕]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…胃内容物が口から吐き出される反射運動。一種の毒物に対する防御反応で,嘔吐に際しては吐き気を伴う。
[吐き気と嘔吐のしくみ]
吐き気nauseaは悪心ともいい,舌根,咽頭,むなもとに感じる特有の不快感で,〈むかつく〉とも表現され,同時に唾液分泌の増加(なまつば),冷汗,顔面蒼白,脈拍数の増加が起こる。…
…吐き気,嘔気ともいい,今にも嘔吐しそうな不快な感覚をいう。嘔吐に先行することが多い。…
※「吐き気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
7/22 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新