吐く(読み)ハク

デジタル大辞泉 「吐く」の意味・読み・例文・類語

は・く【吐く】

[動カ五(四)]
口の中のものを外に出す。「つばを―・く」
胃や肺の中のものを口・鼻から外へ出す。「血を―・く」「息を―・く」
中にたまったものを外部へ出す。「煙突から煙を―・く」
心の中のことを言葉に出す。「本音を―・く」「弱音を―・く」
人に知られたくないことをありのままに打ち明ける。白状する。「容疑者が泥を―・く」
[可能]はける
[類語](1吐き出す吐き捨てる吐き散らす・泡を吹く/(2むかむかもたれるむかつく胸が焼ける胸焼け吐き気気持ち悪いむかっとえずく戻す上げる吐き出す反吐へど嘔吐吐瀉としゃげろつわり悪阻おそ二日酔い悪酔い込み上げるべろんべろんぐでんぐでん/(4吹く言う話すしゃべる語る述べる発言する口を利く口に出す口にする漏らす口走る抜かすほざくうそぶく言い出すしゃべくる物言う伝える告げる物語る打ち明ける明かす説明する述懐する告白する口外こうがいする他言たごんする言い掛ける言い始める言い話し込む話しかける口に上る口の端に掛かる口を開く口を切る申し述べる(尊敬)おっしゃる仰せられるのたま謙譲申し上げる申す言上ごんじょうする

つ・く【吐く】

[動カ五(四)]《「突く」と同語源》
胃や口の中の物を吐く。もどす。「へどを―・く」

㋐息を吐き出す。「ため息を―・く」
㋑呼吸する。「肩で息を―・く」「一息―・く」
好ましくないことを口に出して言う。「悪態を―・く」「うそを―・く」
[可能]つける
[類語](1むかむかもたれるむかつく胸が焼ける胸焼け吐き気気持ち悪いむかっとえずく戻す上げる吐き出す反吐へど嘔吐吐瀉としゃげろつわり悪阻おそ二日酔い悪酔い込み上げるべろんべろんぐでんぐでん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「吐く」の意味・読み・例文・類語

は・く【吐】

  1. 〘 他動詞 カ行五(四) 〙
  2. 口の中の物を外へ出す。口中に含んだ物を勢いよく出す。
    1. [初出の実例]「群歴火を吐(ハキ)鞭を施す」(出典:漢書楊雄伝天暦二年点(948))
  3. 胃の中のものを外へ出す。もどす。〔十巻本和名抄(934頃)〕
  4. ことばとして口から出す。しゃべる。語る。
    1. [初出の実例]「作者聞之彌久愁、後代臨終常吐怨詞」(出典:江談抄(1111頃)四)
    2. 「クヮウゲンヲ faqu(ハク)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  5. 内に籠めたものを外に出す。
    1. [初出の実例]「黒煙を吐きて進航せり」(出典:小学読本(1884)〈若林虎三郎〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android