命名(読み)メイメイ

デジタル大辞泉 「命名」の意味・読み・例文・類語

めい‐めい【命名】

[名](スル)名前をつけること。「祖父の名の一字をとって命名する」「新造船の命名式」
[類語]名付けるネーミング名前名称呼び名しょう呼称称呼称号とな名目名義ネームめい

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精選版 日本国語大辞典 「命名」の意味・読み・例文・類語

めい‐めい【命名】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 人や物などに、名前を付けること。名付け。〔五国対照兵語字書(1881)〕
    1. [初出の実例]「裁縫秘術綱要と命名せる書冊出版の義」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九)
    2. [その他の文献]〔余叢考‐命名奇詭〕
  3. 言語学で、ある概念に対して記号を与えることをいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「命名」の意味・わかりやすい解説

命名
めいめい

名をつけること。生児の名は、出生届に記載のうえ、出生後14日以内に市区町村役場に届けることになっている。普通、命名は7日目すなわち七夜(しちや)に父母または祖父母がつけることが多いが、名付け親として長上の人に依頼することもある。名が決まると紙に書いて神棚とか床の間に貼(は)り、客を招いて披露する習俗もある。命名により人間社会に仲間入りしたことになる。

[大藤時彦]

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普及版 字通 「命名」の読み・字形・画数・意味

【命名】めいめい

名づける。〔隠居通議、二十八、妖の名〕木の變を妖(えう)と曰ひ、蟲(ちゆうえん)の變を(げつ)と曰ひ、六畜の變異をと曰ふ。~今世俗の常談に、惟だ妖と曰ひ、妖怪と曰ふ。然れども、未だ其の命名する以(ゆゑん)の義を知らず。

字通「命」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「命名」の意味・わかりやすい解説

命名
めいめい

生児に名をつけること。正式の命名前にとりあえず仮名や産名をつけることもある。千葉県や茨城県では,名前をつけないうちに地震がくるとその子の身体に異常が起るとされ,季節や干支をとって仮名をつけた。これは名前に身体を保護する防衛力があると信じられたためであり,偉人や社会的名声をもつ人にあやかって命名するのもその例である。また,子供が病気になったときに異性の名をつける例にも宗教的意味合いがある。群馬県では男子に女名,女子に男名をつけるばかりでなく,衣類持物まで異性のものにすると丈夫に育つという伝承がある。命名法においては,改名と祖名継承法が重要。改名は成長段階にしたがって名前を変えていくもので,この点で名前は個人の成長段階を示す象徴の意味をもつといえる。改名には成人名,嫁名・婿名,襲名,隠居名,死者名などがある。祖名継承法は先祖の名前の一部もしくは全部をとって生児に命名する方法で,襲名のように父方の先祖からとる形態のほか,父方母方の祖父母などから名をとる場合もある。祖名継承法には日本人の先祖観の反映をみることができる。 (→人名 )  

命名
めいめい
naming

事物や概念などに名前をつけること。すでに存在する単語についても,なぜその語形が生じたかという,いわゆる語源が問題になりうるが,言語生活のなかで実際の問題となるのは,これまでなかった事物や概念をどう呼ぶかという場合である。まったく新しい語形の創造,既存の単語の転用,既存の単語や形態素からの合成,外国語の使用など,いくつかの方法がある。他の語形との区別が明らかなこと,指示物の性質などをよく表わしていると思われること,語感がよい (また悪い) ことなど,命名に際しては種々の条件が考慮される。

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世界大百科事典(旧版)内の命名の言及

【氏名】より

…すなわち,法律は,氏に個人の呼称プラスアルファの要素を持たせ,個人の呼称として純化してはいない。
[氏名の決定]
 名は,出生直後における命名によって定まる。子の名に用いる文字には〈常用平易な文字〉(戸籍法50条1項)という制約があり,その文字の範囲は戸籍法施行規則に定められている。…

【名】より

…そしてその行為の主体は,それぞれの文化を背負った名付ける人の側にある。つまり,名はある意味で名付ける人の側の〈世界像〉を示すものであり,典型的には世界のさまざまな神話にみられる〈名まえを持たぬものに対して名まえを与える状況=創造の状況〉といった多くのテキストが,命名という行為の本質を雄弁に物語っているとみることもできる。しかし,それが一方の真実であることはまちがいないにしても,他方で名を与えるという行為には,明らかに名付けられる対象自体の性質もかかわって,名付けられるものと名付けられないものとが出現すると考えられる。…

※「命名」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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