江戸中期の国学者谷川士清(たにかわことすが)編の国語辞書。前・中・後(後編は方言俗語が多い)の3編より成る。現在普及する活字本は,1898年井上頼圀・小杉榲邨(すぎむら)刊の前・中両編に別の辞書3種を付録した《増補語林和訓栞》,および1899年刊野村秋足校訂の前・中・後3編(のちに合冊)。本来は整板本として1777年(安永6)以降数次にわたり刊行され,最終は1887年に至る。古語,雅語のほか俗語,方言,外来語にも及んで所収語の範囲は広く,全体として均衡のとれた穏健な説明がある。見出し語を五十音順(ただしオ・ヲの所属は現在と異なる)にならべる点では,近世の辞書としては珍しい。《雅言集覧》《俚言集覧》とともに江戸時代の代表的な国語辞書といわれる。
執筆者:山田 俊雄
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