普及版 字通 「商」の読み・字形・画数・意味
商
常用漢字 11画
(旧字)
11画
(異体字)
15画
[字訓] はかる・たまう・あきなう
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
辛(しん)++口。辛は把手のある大きな辛器で、入墨に用いるもの。刑罰権を示す。はこれを樹てる台座の形。その前に、神に祈る祝詞の器((さい))をおく。神に「商(はか)」ることを原義とする字である。(いつ)の従うところのと似ており、は台座の上に矛(ほこ)を立て、祝詞をそえた形。は神威を奉じて巡察正(いつせい)を加えることをいう。商は殷王朝の正号。その都を卜辞に「大邑」という。〔説文〕三上に「外よりしてを知るなり」という。すなわち商すること、推測の意とするが、神意を問うことを原義とする。は古くは賞の意に用い、の下に貝を加えた。はその略字であろう。賞は報償として与えられることが多く、また償の意となる。をその義に用い、ついに商賈の意となる。商賈の意は最も後起の義である。
[訓義]
1. はかる、神にはかる。
2. 賞の初文で、たまう、ほめる。
3. あきなう、あきうど。
4. 除法、割算の答え。
5. 五音の一で、秋に配する。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕 賈、師、阿岐比斗(あきひと) 〔名義抄〕 アキヒト・ハカル・アキナフ・アキ
[声系]
〔説文〕に声としてを収め、の省声とする。金文の賞はの下に貝を加えた字形である。
[語系]
・sjiangは同声。〔説文〕六下にを「行賈なり」と商賈の意とする。
[熟語]
商意▶・商雲▶・商歌▶・商家▶・商貨▶・商会▶・商▶・商▶・商▶・商確▶・商気▶・商議▶・商墟▶・商業▶・商賈▶・商戸▶・商估▶・商股▶・商工▶・商校▶・商較▶・商号▶・商祭▶・商市▶・商酌▶・商娶▶・商秋▶・商祝▶・商女▶・商参▶・商声▶・商税▶・商節▶・商兌▶・商度▶・商定▶・商訂▶・商程▶・商灯▶・商討▶・商人▶・商舶▶・商販▶・商▶・商埠▶・商風▶・商弁▶・商務▶・商▶・商籟▶・商略▶・商旅▶・商量▶
[下接語]
歌商・会商・海商・外商・奸商・宮商・協商・行商・工商・豪商・参商・紳商・政商・清商・素商・隊商・仲商・通商・農商・比商・富商・良商
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報