営城子壁画墓(読み)えいじょうしへきがぼ

百科事典マイペディア 「営城子壁画墓」の意味・わかりやすい解説

営城子壁画墓【えいじょうしへきがぼ】

中国,遼寧省南部,旅順北方の営城子にある後代の【せん】室墓。1910年,1912年に中国東北南部を調査した浜田耕作により発掘され,明器瓦器,漆器等が出土。さらに1931年の調査で第2号墓の主室から壁画が発見された。入口には【き】頭(きとう),守門人,主室には仙人怪神,鳥などが描かれている。漢代絵画研究の貴重な資料。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版 「営城子壁画墓」の意味・わかりやすい解説

えいじょうしへきがぼ【営城子壁画墓 Yíng chéng zǐ bì huà mù】

中国遼寧省大連市営城子会牧城駅屯の後漢墳墓の一つ(2号墓)。1931年に調査され,壁画をもつことで著名である。封土は南北約36m,東西約27m,高さ約4.5mが残存し,墓室は小塼穹窿きゆうりゆう)状に築かれ,前室,主室と四周の回廊,東と北の側室から成る。壁画は塼壁上に白漆喰を厚く塗り,十分乾かぬうちに筆をおろした〈フレスコ手法で描かれ,描線は大部分が墨で要所に朱と黄土を混じえる素描風のものである。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

暖冬

冬期3カ月の平均気温が平年と比べて高い時が暖冬、低い時が寒冬。暖冬時には、日本付近は南海上の亜熱帯高気圧に覆われて、シベリア高気圧の張り出しが弱い。上層では偏西風が東西流型となり、寒気の南下が阻止され...

暖冬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android