精選版 日本国語大辞典 「器用」の意味・読み・例文・類語
き‐よう【器用】
〘名〙
① 役に立つ大切な器物。
※令義解(718)賦役「凡諸国貢献物者、〈略〉服食。器用〈謂。〈略〉器用者。如二下野氈。
形箭一之類是也〉」 〔書経‐旅獒〕

② 器械を用いること。
※足利本論語抄(16C)子路第一三「易㕝とは其人の器用々々のままに使也」
④ (形動) 役に立つ才能があること。才知がすぐれているさま。また、そのような人。有用な人材。
※本朝文粋(1060頃)六・申民部大輔状〈橘直幹〉「既非二器用一。自漏二明時之祿一」
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「我等五六人は皆一方の大将軍を承はるべき器用(キヨウ)の若者共が」 〔春秋左伝‐隠公五年〕
⑤ (形動) いさぎよいこと。潔白であること。上品で優雅なさま。また、その人。
⑥ (形動) わざがすぐれてじょうずなこと。また、そのさま。
⑦ (形動) うまいぐあいに物事を処理すること。また、そのさま。
※集義和書(1676頃)二「器用は、物をもとめず、たくはへず、あれば人にほどこし、なければなき分に候」
⑨ (形動) 文句などを言わないで、素直にすること。また、そのさま。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報