しじゅうはっ‐て シジフ‥【四十八手】
〘名〙
①
相撲で、
勝負をきめる種々の技の
総称。
古法によれば、頭・首でする反
(そ)り、手によるひねり、腰による
投げ、足による掛けの
四手があり、それぞれに一二の
変化があり合計四八手あるとしている。しかし
流派や時代により
諸説がある。現在は
日本相撲協会が七〇手のきまり手をきめており、これにすべて準拠している。
※虎明本狂言・
文相撲(室町末‐近世初)「
すまふの手は四十八手とは申せども」
② それぞれの分野でのさまざまな
手段や方法。特に、性愛でのさまざまな
体位。
※俳諧・西鶴五百韻(1679)早何「奇異のくせ者と引くんで寝る〈
西友〉 なげの情四十八手の思日事〈西六〉」
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デジタル大辞泉
「四十八手」の意味・読み・例文・類語
しじゅうはっ‐て〔シジフハツ‐〕【四十八手】
1 相撲で勝負をきめる技の総称。古法では、頭による反り、手による捻り、腰による投げ、足による掛けの四手に、それぞれ12種の変化があるとする。現在、日本相撲協会は、82種を決まり手と定めている。→決まり手
2 目的をとげるための、種々の手段・駆け引き。「セールスの四十八手を尽くして売り込む」
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四十八手【しじゅうはって】
相撲の決り手の総称。江戸中期に相撲のルールが整備されたときに,1年四季十二候にちなんで,頭で行う反り,手で行う捻(ひね)り,腰で行う投げ,足で行う掛けの4技にそれぞれ12手を配して作られたものという。その後技の名称の数は細かく増えたが1960年,日本相撲協会では70手に整理した。本場所で使われるのはそのうち40手前後。
→関連項目初切
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四十八手
しじゅうはって
相撲技 (わざ) の代名詞。相撲の勝負で勝ったときの技の決まり手。四十八手とは「数多い手 (技) 」の意味。『源平盛衰記』が初出で,限った数の相撲手ではない。室町時代の『節用集』に「四十八手と申し候へども 百手ばかり御座候」とある。土俵の起源と同様に,江戸時代中期に布告された相撲禁令を解くため,相撲の規則がつくられた。そのとき行司が四十八手の数にあてはめ,投げ,掛け,そり,ひねりの基本技を 12手ずつ編み出した。現在は 82手を制定している。
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しじゅうはって【四十八手】
相撲の技の決り手の総称。古く《源平盛衰記》に四十八手の文字をみるが,これは〈数多い手〉という意味で,限った数の相撲手ではない。土俵の起源と同様に,江戸中期に布告された職業相撲の禁令を解くために,相撲ルールがつくられた。そのとき,四十八手の数に当てはめて,古くから伝わる技を分類し,投げ,掛け,反り,捻りの基本技を12手ずつ制定した。しかし元禄時代(1688‐1704)には,手さばき82手,手くだき86手,まがいの12手を加えるなど,各地の行司家によって,さまざまの名称があった。
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