デジタル大辞泉 「四方」の意味・読み・例文・類語
し‐ほう〔‐ハウ〕【四方】
2 周囲。「
3 諸地方。諸国。天下。「
4 正方形の各辺。「一センチ
5 四角。かくがた。
6 四すみにくり形の穴のある、物をのせる台。
7 近世、正方形の
[類語]八方・四方八方・周囲・津津浦浦・到る所・どこもかしこも・周辺・ぐるり・周縁・周・周回・外周・辺り・近辺・四辺・四囲・四面・まわり・近く・付近・
④の意は「よほう」と読まれている資料が多い。また、歴史的かなづかいも「はう」ではなく「ほう」であるという。
( 1 )歴史的かなづかいはハウとしたが、四角の意の場合はホウであるとする説が有力である。
( 2 )古くは、東西南北の方角を「しはう」、四角形の形を「よほう」といった。「方」の字音には、「観智院本名義抄」の和音注が示すように、ハウとホウとがあり、これは漢音・呉音の別ではなく、方角の意の場合、開音ハウ、四隅(角)の意と、医方の意の場合、合音ホウとなる。
( 3 )「方」の字音に、ハウとホウ両者があったことについては、類書や抄物でも注意しているが、特に法華経読誦をめぐって、日遠「法華経随音句」や宗淵「法華経音弁訛」などがその使い分けを説いている。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…衝重は方形角切(すみきり)の筒形台脚を備えた折敷(おしき)の総称で,《貞丈雑記》によれば,上部の折敷形に台部を衝き重ねるところから衝重の名があるという。その台部の3方に眼象(げんしよう)(格狭間(こうざま))と称する繰形を透かしたものがすなわち三方であり,4方に透かしたものが四方(しほう)である。また眼象のないものは供饗(くぎよう)という。…
…有職(ゆうそく)文の一種で,輪違(わちがい)文ともいう。上下左右に連続するさまから〈四方〉〈十方〉と呼ばれたのが,のちに仏教の十珍七宝(じつちんしつぽう)と結びつき〈七宝〉となった。この形の文様は古くから見られ,紀元前3000年ころのシュメールで黄金製指輪の装飾にも用いられている。…
… 膳は,現在一般に会席膳と呼ばれる方1尺2寸(約36cm)の折敷を除いては,ほとんどが足をつけるか,台に載せた形態のものである。板を折り回した足を折敷の下につけたものを衝重(ついがさね)といい,足の前面と左右両側の3面に繰形(くりかた)をつけたものを三方(さんぼう),4面につけたものを四方と呼んだ。これに対して,大きく格狭間(こうざま)を透かせた台に折敷を載せたものを懸盤(かけばん)といい,藤原氏の氏長者(うじのちようじや)がその地位の標識として朱器とともに伝領した台盤も,この形式のものであった。…
※「四方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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