精選版 日本国語大辞典 「因果律」の意味・読み・例文・類語
いんが‐りつ イングヮ‥【因果律】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
ある時刻における事象(原因)から、それより未来の時刻における別の事象(結果)が必然的に生じる場合、そのことを因果律という。たとえば、A地点で、ある方向に決まった速度で弾丸を発射すれば、一定の時間ののちにB地点に弾丸が落下する。このように古典物理学では、考える過程の初めの状態を指定し、そこに働く力がわかっていれば、それよりあとの時刻の状態は一意的に決まる。したがって、ある時刻において宇宙を構成するすべての物体の位置と速度を定め、それらの間の力がわかっていれば、それ以後の宇宙のできごとはすべて決定されることになる。しかし、古典物理学が成り立たず、量子力学が支配するような微視的対象が問題になる場合には事情が異なる。対象の量子力学的状態は量子力学の法則により因果的に記述され、初期条件によって一意的に決まるにもかかわらず、観測にかかる事象については、一般には一意性は失われ、確率的な予言しかできない。これは、因果律が成立しないのではなく、古典論的因果律と量子論的因果律との違いを示すものである。
因果律はまた、ある時刻のできごとは、それより過去のできごとの影響しか受けないという原理が自然を支配していることを意味する。相対性理論によれば、真空中の光速度よりも速く伝わる作用は存在しえないから、離れた場所の間のできごとが互いに影響を受けるのは、一定の有限の時間よりあとに限られる。
1990年ころから、「絡まった状態」とよばれる量子力学特有の状態を利用する量子通信の研究が盛んに行われるようになった。この「絡まった状態」は因果律の破れに結び付いているという議論が、アインシュタイン、ポドルスキーBoris Podolsky(1896―1966)、ローゼンNathan Rosen(1909―1995)によるアインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンの思考実験以来行われていたが、これも古典論的および量子論的な因果律の違いに帰せられるものであって、因果律そのものを破っているわけではないことが、1980年ころから理論的にも実験的にも明らかにされている。
[町田 茂]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新