囲繞(読み)イジョウ

デジタル大辞泉 「囲繞」の意味・読み・例文・類語

い‐じょう〔ヰゼウ〕【囲×繞】

[名](スル)まわりを取り囲むこと。いにょう。「町を囲繞する掘割
[類語]ぐるっとぐるり囲い囲み包囲遠巻き囲む取り巻く囲う取り囲む巡らす巡る張り巡らす

い‐にょう〔ヰネウ〕【囲×繞】

[名](スル)いじょう(囲繞)」に同じ。
教室八重桜の木で―されていて」〈藤村千曲川のスケッチ

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精選版 日本国語大辞典 「囲繞」の意味・読み・例文・類語

い‐にょうヰネウ【囲繞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。右回りに回りを巡って敬礼すること。転じて、法会において、衆僧尊像の周囲を回って行道すること。右繞三匝(うにょうさんぞう)。行道。
    1. [初出の実例]「諸僧威儀具足して、ゐねうじ奉れり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)鳥の舞)
  3. 回りをとり囲むこと。古くは、囲まれるものに対する敬意を伴って用いられることが多い。いじょう。
    1. [初出の実例]「さぶらひなどやうの者、あまたかしこまりゐねうしたるもをかし」(出典:枕草子(10C終)一二〇)
    2. [その他の文献]〔呉志‐孫堅伝〕

囲繞の補助注記

「枕草子」の「ゐねうし」は「居念じ」の意とする説もある。


い‐じょうヰゼウ【囲繞】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じょう」は「繞」の漢音 ) まわりをとりかこむこと。いにょう。
    1. [初出の実例]「嵩山囲繞して渓霧を興し、洛水廻流して野煙に入る〈慶滋為政〉」(出典:新撰朗詠集(12C前)下)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐独行伝・王嘉〕

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普及版 字通 「囲繞」の読み・字形・画数・意味

【囲繞】いによう(ゐねう)・いじよう(ゐぜう)

とりまく。〔東観漢紀、周嘉伝〕嘉、太守何敞に從ひてを討つ。~圍繞すること數十重、嘉~身を以て之れを扞(まも)る。

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