国体新論(読み)こくたいしんろん

山川 日本史小辞典 改訂新版 「国体新論」の解説

国体新論
こくたいしんろん

明治前期の天賦人権説にたつ政治理論書。加藤弘之(ひろゆき)著。1875年(明治8)刊。国家主眼人民で,君主政府は人民の私事干渉は許されず,政府の権力濫用を防ぐために三権分立がうまれたとし,人民は天賦の自由権をもつことを主張した。「真政大意」とともに自由民権運動に大きな影響を与えたが,保守派に批判され,81年に両書ともみずから絶版にした。「明治文化全集所収

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「国体新論」の解説

国体新論
こくたいしんろん

明治前期,加藤弘之 (ひろゆき) の政治思想書
1875年刊。天賦人権論立場から人民の自由尊重を述べ,国家・政府・人民のあり方を説いている。やがて加藤は天賦人権論を否定し,『真政大意』とともに本書を絶版にした。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android