精選版 日本国語大辞典 「国歌」の意味・読み・例文・類語
こっ‐か コク‥【国歌】
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国家を象徴する歌曲または器楽曲。近代的な「国家」の概念が形成され建設が進むにつれて、国家に対する帰属心や愛国心を助長する方策が必要となり、モットー(スローガン)、旗、紋章、花、鳥などと並んで、歌が公式に制定されたり、非公式ではあっても慣例的に人民の間に広まったりしてきた。国歌の内容や性格は、国家体制の変遷を反映している。すなわち、王制国家の場合には君主とその治世をたたえ、共和制国家では人民の団結や自由を歌い上げる。使用言語は、当該母国語の場合が多いのは自明の理であるが、現実には多言語国家や旧植民地国家においては国民全員を満足させることができない悩みがみてとれる。たとえば、スイスでは同一旋律に五つの言語による歌詞が施されているし、700余りの言語集団を有する新興国パプア・ニューギニアでは公用語の英語によっている。また、スペイン、モロッコ、ギニア、クウェートなどの国歌のように、(公認された)歌詞をもたないものもある。
音楽的には、土地の民謡に基づいている場合ですら、西洋的平均律にあわせた旋律を使っているのがほとんどである。これは、近代的国家形成そのものが西ヨーロッパに端を発していることにも関係している。曲調としては、威厳に満ちた賛歌風のもの、軽やかな行進曲風のもの、高らかに鳴り響くファンファーレ風のもの、民俗素材からの借用によるものなどに分類できる。
国歌は、国威を示したり、民族的アイデンティティを象徴するものとして、国際的な雰囲気の場や、一国内でも多数の国民が集合する場などで歌われ演奏される。たとえば、元首が臨席する行事、オリンピックなどのスポーツ大会、劇場や放送の特定時間などである。そして、そのような場では、起立、脱帽などの儀礼的所作が参会者に要請される。
日本の国歌『君が代』は、第二次世界大戦後の新憲法の精神に即していないという理由で論議されてきた。現在これにかわる歌はなく、1999年(平成11)に「国旗及び国歌に関する法律」(国旗・国歌法、平成11年法律第127号)が制定されると、論議はますます盛んになった。従来、歌詞を参会者が斉唱するよりも器楽演奏されることが多かったが、この傾向は簡単には変わらないだろう。
[山口 修]
『高田三九三編著『世界の国歌全集』(1977・共同音楽出版社)』▽『山部芳秀著『Q&A「日の丸・君が代」の基礎知識』(1999・明石書店)』
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国家および国民の象徴として演奏される曲。国家的祭典や国際的行事に用いられる。日本では,1882年(明治15)1月文部卿が音楽取調掛に国歌選定を命じたが,結論は得られなかった。これに先立つ80年11月,林広守作曲,エッケルト編曲の「君が代」が作られた。これが現行の「君が代」で,85年制定「陸海軍喇叭(ラッパ)吹奏歌」の第1号と定められ,88年には吹奏楽譜が海軍省から諸外国へ「大日本礼式」として送付された。文部省でも93年8月,小学校の祝日大祭日唱歌の一つとして告示した。1890年代には「君が代」を国歌とみなす主張が現れ,日中戦争の始まる昭和初期には国歌と同一視されるようになった。1999年(平成11)国旗・国歌法の成立により法制化された。
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…19世紀末以降,事実上,日本の国歌として扱われてきた天皇の治世を奉祝する歌。歌詞は《古今和歌集》に由来するが,その初句は〈我が君は〉であり,〈君が代は〉となったのは,《和漢朗詠集》の一写本に始まるといわれる。…
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