精選版 日本国語大辞典 「国民精神総動員運動」の意味・読み・例文・類語
こくみんせいしんそうどういん‐うんどう ‥セイシンソウドウヰン‥【国民精神総動員運動】
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日中全面戦争の開始に伴って始められた、国民の戦争協力を促す官製国民運動。「精動」と略されることもある。1937年(昭和12)8月第一次近衛文麿(このえふみまろ)内閣は「国民精神総動員実施要綱」を閣議決定し、同年10月「挙国一致、尽忠(じんちゅう)報国、堅忍(けんにん)持久」のスローガンのもとに国民精神総動員中央連盟(会長有馬良橘(ありまりょうきょう)海軍大将)を創設した。中央連盟には民間諸団体が参加し、道府県次元の地方実行委員会には地方名望家層が参加したが、市町村次元の独自組織はなく、底辺では行政機関に依存して運動が行われた。当初は精神運動の性格が強かったが、やがて長期戦下の経済国策への協力を中心とするようになり、貯蓄増加や国債消化の奨励、金属回収などがしだいに強力に実施されていった。39年3月には文部大臣を委員長とする国民精神総動員中央委員会が設置され、同年8月には興亜奉公日(同年9月1日より毎月1日)が設定され、40年4月には従来の組織を解消して国民精神総動員本部がつくられるが、同本部も同年10月には大政翼賛会に吸収された。
抽象的な徳目を並べて物資と労力の面で国民動員を図ったこの運動は、国民の日常生活面での戦争協力体制を築き上げた反面、国民の自発性を引き出すことが困難であるという矛盾を抱えていた。
[赤澤史朗]
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日中戦争に際し,国民を戦争協力に動員するための官製の運動。1937年(昭和12)8月,第1次近衛内閣が決定した「国民精神総動員実施要綱」にもとづき,10月から中央・地方の動員組織が作られて発足。当初は儀式や行事を通じて精神教化をはかる運動が中心だったが,その後,貯蓄増加・国債購入・金属回収などの経済国策協力運動が加わり,町内会・隣組や婦人会を通じてとくに女性が動員された。39年9月からは毎月1日,一汁一菜・日の丸弁当・禁酒禁煙などを守る興亜奉公日を実施した。40年10月の大政翼賛会成立後,大政翼賛運動にうけつがれた。
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