精選版 日本国語大辞典 「国際司法裁判所」の意味・読み・例文・類語
こくさい‐しほうさいばんしょ ‥シハフサイバンショ【国際司法裁判所】
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第二次世界大戦後、国際連盟時代の常設国際司法裁判所Permanent Court of International Justiceを継承した国際連合の主要な司法機関。略称ICJ。所在地はオランダのハーグ。今日の国際社会において国家間の紛争を解決するため、係争事件でも勧告事件でも、国際法の権威的認定のために利用されうる唯一の世界的な常設裁判所である。
国際司法裁判所は、国連の安全保障理事会と総会で選出される15人の裁判官で構成される。3年ごとに5名を改選。任期は9年。選出の規準は、なによりも徳望、専門能力において高度の個人的資格を具備することである。裁判官は本来国家代表の性格をもつものではないが、その構成において世界性よりも偏った西欧色に批判が強まり、現在ではだいたい均衡のとれたものになった(西欧およびその他の国5、ラテンアメリカおよびカリブ海諸国2、東欧2、アジア3、アフリカ3)。なお日本からは、田中耕太郎(1890―1974。在任期間1961~1970)、小田滋(しげる)(1924― 。同1976~2003。1991~1994同副所長)、小和田恆(ひさし)(1932― 。同2003~2018。2009~2012同所長)、岩沢雄司(1954― 。同2018~ )が裁判官に任じられている。
裁判所の管轄権は、当事国の同意に基づき、すでに発生した具体的紛争についてだけでなく、将来発生しうべき不定数の紛争についても設定することができる。裁判所は、国によって付託される紛争の裁判をするほか、国際機関の要請があったときには、法律問題について勧告的意見を与えることができる。
国際司法裁判所の冷戦後の特徴としては、第一に、ジェノサイド(集団殺害)、人民自決権、テロリズム、核兵器の使用といった国際社会全体の利益にかかわるような事件や問題が相次いで付託されてきたことがあげられる。第二に、従来国際司法裁判所には無関心であった旧ソ連・東欧の国々が、選択条項の受諾の宣言をすることによって裁判所の管轄権を受け入れたり(エストニア、ブルガリア、ハンガリー、ジョージア(グルジア)、ポーランド)、また紛争当事国が合意して紛争を付託して裁判所の判決を得たり(1997年のハンガリーとスロバキア間に起こったダム建設に関する係争)していることなどがあげられる。
[皆川 洸・川﨑恭治]
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(2012-08-17)
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…国際裁判には仲裁裁判と司法的解決(司法裁判)との2種があり,両者の根本的な差異は裁判所の構成にある。仲裁裁判は,紛争の発生ごとに当事者の合意によって選ばれた裁判官による裁判であり,司法的解決は,国際司法裁判所のように,あらかじめ選ばれた裁判官によって構成される常設の裁判所が行う裁判である。 国際裁判が国際紛争の平和的処理方法として利用されだしたのは19世紀以降のことで,当初の裁判形態は,その都度構成される個別的な仲裁裁判である。…
…南アフリカ共和国やイスラエルに対して,制裁措置の一環として除名を求める主張もみられたが,適用例はない。
【機関と意思決定過程】
[機関]
国連の主要機関は,総会,安全保障理事会,経済社会理事会,信託統治理事会,国際司法裁判所,および事務局の六つであり,連盟の総会,理事会,事務局の3主要機関よりも増えている。主要機関のほかに,とくに国連総会や経済社会理事会のもとで設置された多くの補助機関が存在し,国連は極めて複雑な仕組みになっている。…
※「国際司法裁判所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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[1864~1915]ドイツの精神医学者。クレペリンのもとで研究に従事。1906年、記憶障害に始まって認知機能が急速に低下し、発症から約10年で死亡に至った50代女性患者の症例を報告。クレペリンによっ...
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