国際陸上競技連盟(読み)コクサイリクジョウキョウギレンメイ(その他表記)International Association of Athletics Federations

デジタル大辞泉 「国際陸上競技連盟」の意味・読み・例文・類語

こくさい‐りくじょうきょうぎれんめい〔‐リクジヤウキヤウギレンメイ〕【国際陸上競技連盟】

アイ‐エー‐エー‐エフ(IAAF)

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知恵蔵 「国際陸上競技連盟」の解説

国際陸上競技連盟

陸上競技の国際的な統括団体略称IAAF、国際陸連。国際的に陸上競技を統括する組織を作って規則を定め、世界記録を認定することを求めて、1912年にストックホルムにおいて17カ国(オーストラリア、オーストリアベルギー、カナダ、チリデンマークエジプトフィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャハンガリーノルウェーロシアスウェーデン、イギリス、アメリカ)の代表が集まって会議を開催。これが第1回総会となって、国際陸連が創設された。2014年に競技規則を策定し、世界記録の公認を開始している。210余の国と地域加盟しており、本部の所在地はモナコ。主催大会には世界陸上競技選手権大会、世界クロスカントリー選手権大会、IAAFダイヤモンドリーグなどがある。また、夏季オリンピックでは国際オリンピック委員会委任を受けて、陸上競技を管理している。
14年12月にドイツのテレビ局が放送したドキュメンタリー番組において、ロシア反ドーピング機関の元職員とドーピングで選手資格を剥奪(はくだつ)されたその妻が、ロシアにおける組織ぐるみのドーピングを告発。これをきっかけに世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会が調査を行って、15年11月9日に報告書を発表した。そこにはロシア陸上競技連盟もロシア反ドーピング機関もロシア連邦そのものも反ドーピング基準を順守しているとはいえないとして、国ぐるみで組織的にドーピングを行っていると報告。ロシア陸連を資格停止処分にし、16年のリオデジャネイロオリンピックでは出場停止にするよう国際陸連に勧告した。これを受けて国際陸連はロシア陸連に対して資格停止処分を科している。更に世界反ドーピング機関は、16年1月14日に独立委員会の第2回調査報告書を発表。国際陸連のラミン・ディアク前会長が、ロシアのドーピング違反の隠蔽(いんぺい)に関与していたことを報告した。
このような事態を受けて、ドイツの大手スポーツ用品メーカーであるアディダスやスイス食品大手のネスレは、国際陸連とのスポンサー契約を打ち切った。特にアディダスは国際陸連最大のスポンサー企業で、08年から11年間の長期契約を結んでいたが、4年早く契約を終了することになった。このアディダスとの早期契約終了で、国際陸連の4年間の損失は3000万ドルほどにも見積もられると英BBCは伝えている。

(場野守泰 ライター/2016年)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際陸上競技連盟」の意味・わかりやすい解説

国際陸上競技連盟
こくさいりくじょうきょうぎれんめい
International Association of Athletics Federations

ワールドアスレティックス(World Athletics。日本語の略称は世界陸連)の旧称。国際競技連盟(IF)の一つで各国の陸上競技連盟を統括していた。略称IAAF、国際陸連。1912年に創設され、選手のプロ化の流れを受けて2001年にInternational Amateur Athletic FederationからInternational Association of Athletics Federationsに名称変更。2019年11月からワールドアスレティックスとなった。創設当初は本部をストックホルムに置いたが、のちにロンドンを経て、モナコへと移った。オリンピックの際、国際オリンピック委員会(IOC)の委任を受け、陸上の試合を管理するほか、世界選手権、世界室内選手権、IAAFゴールデンリーグ(現在はダイヤモンドリーグ)などの大会を主催した。国際的に適用する競技規則の制定や世界記録の公認も行ってきた。

[加藤博夫・中西利夫 2021年1月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際陸上競技連盟」の意味・わかりやすい解説

国際陸上競技連盟
こくさいりくじょうきょうぎれんめい

「ワールドアスレティックス」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の国際陸上競技連盟の言及

【アマチュアリズム】より

…従って,憲章全文から〈アマチュア〉の字句は完全に消滅し,オリンピックは〈世界のアスリート(競技者)のスポーツ祭典〉となった。さらに82年,アマチュアリズムのモデル団体とされていた国際陸上競技連盟(IAAF)が,イギリスなどの提案を入れて,選手が賞金競技に出場することを承認したので,ここにアマチュアリズムは,競技者スポーツの世界では,まったくその存在理由を失うに至った。【川本 信正】【佐伯 聰夫】 スポーツ界の頂点にあるオリンピックがアマチュア規定を廃止したことによって,競技者は参加資格問題にわずらわされることなく,正々堂々とパフォーマンスに対する報酬を要求するようになり,競技大会は有名な競技者を確保するために高額な出場報酬料制や賞金制を導入することになった。…

【オリンピック】より

…IOC憲章はオリンピック競技者の資格として,(1)IOCとIFのルールを誠実に順守すること,(2)IFのルールに従い,NOCとNFの承認なしに,スポーツに参加することで金銭的報酬を得たことがないことの2条件をあげているが,どのような場合に金銭の取得が許されるのか,その細目はすべてIFのルールにゆだねられている。アマチュアリズムにもっとも厳格とされた国際陸上競技連盟(IAAF)が,1982年そのルールを改正し,IAAFの公認する競技会に限り,選手が出演料や報奨金を受け取り,それを各国陸上競技連盟が設ける競技者基金に寄託することを認可したので,金銭取得の禁止を主眼としたアマチュアリズムは大きく崩れ,その他のIFにも波及して,オリンピック参加資格に画期的な変化をもたらした。なお,後出〈近代オリンピック概史〉の〈第4期〉の記述を参照されたい。…

【陸上競技】より

…以後陸上競技はオリンピックが隆盛を重ねるごとに参加国,選手数を増やし,メイン・イベントとしての地位をますます固いものにしていった。オリンピックにからんで陸上競技の国際組織づくりも着々と進み,1912年国際陸上競技連盟International Amateur Athletic Federation(IAAF)が結成され,第1次世界大戦後の21年には国際競技規則を制定,世界記録の公認制度も決定した。第2次世界大戦後も陸上競技はオリンピックのメイン・イベントとして発展を続け,83年には世界選手権を新設,第1回大会をフィンランドのヘルシンキで開催した。…

※「国際陸上競技連盟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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