精選版 日本国語大辞典 「地球儀」の意味・読み・例文・類語
ちきゅう‐ぎ チキウ‥【地球儀】
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地球を球形にかたどって、その表面に経緯線や水陸分布および地形その他の地球表面の状態を表したもの。
地球は球体をなしているので、これを水平面に表現した地図に比べていろいろな点で利点をもっている。すなわち、地球儀では、広い範囲の地表面の状況を距離、面積、形のひずみがないように表現できるが、平面である地図では不可能である。地球儀は球体であるから、地表上の位置関係や地球の運動、昼夜や季節の関係、方位の関係、太陽との関係などを理解するには、地図よりもはるかに便利である。また、地球儀は、大圏航路や無線方向の探知などにも利用される。一方、地球儀では、縮尺の大きいものはつくりがたいこと、携帯に不便であること、全世界を一度に同時に観察できないことなどが、地図に比べて劣る点である。
地球儀は、金属、石膏(せっこう)、プラスチック、紙などで作製され、中空であって、約23.5度傾いた地軸の北極および南極の部分に子午環(緯度目盛りのついた輪)が取り付けられ、赤道から両極へそれぞれ90度に目盛りされているものが多い。そして地軸の周りを自転できるようになっている。地球儀は一般には、一定の経度帯(たとえば経度15度の幅)ごとに、舟形の地図片をつくり、それをはり合わせてつくられる。
最初に地球儀がつくられたのは、地球球体説が提唱されてからであって、古代ギリシアや中世のアラビアであったと称されている。現存する最古の地球儀は、これよりはるかに遅れて、1492年にドイツの地理学者ベハイムが作製した直径51センチメートルの金属製のもので、ドイツ、バイエルン州のニュルンベルク博物館に保存されている。この現存する最古の地球儀の表面に描かれた地図は、ローマ時代の天文学者プトレマイオスの世界地図に依拠しているが、マルコ・ポーロの『東方見聞録』によって、中国や日本をアジアの東端に表現し、ポルトガルの航海者B・ディアスのアフリカ探検の結果を取り入れ、アフリカを喜望峰を南端として表現しているなど、当時としては新知識を取り入れたものであった。その後、「新大陸発見」時代に入り、いろいろな地球儀が作製されている。
日本では、1591年(天正19)に天正遣欧使節(てんしょうけんおうしせつ)が豊臣(とよとみ)秀吉にヨーロッパ製の地球儀を献上したのが、日本に現れた地球儀の最初で、江戸時代に入ってからは、国内でも各種の地球儀がつくられるようになった。
[市川正巳・村田明広]
『渡辺一夫著、清水靖夫監修『やさしい地図入門5 地球儀たのしさ入門』(1998・ポプラ社)』
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