地道(読み)ジミチ

デジタル大辞泉 「地道」の意味・読み・例文・類語

じ‐みち〔ヂ‐〕【地道】

[名・形動]
手堅く着実に物事をすること。地味でまじめなこと。また、そのさま。「地道努力をする」「地道に働く」
普通の速さで歩くこと。また、馬を普通の速さで進ませること。なみ足。→早道はやみち
「―に歩む馬に乗り」〈浮・栄花一代男〉
[派生]じみちさ[名]
[類語]堅実着実堅気着着こつこつ・一歩一歩・まずたゆまず

ち‐どう〔‐ダウ〕【地道】

[名]
大地にもともと備わっている性質法則。⇔天道
地下道トンネル
[形動ナリ]じみち(地道)」に同じ。
「人は―なるこそよけれ」〈浮・伝来記・八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「地道」の意味・読み・例文・類語

ち‐どう‥ダウ【地道】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 大地にそなわる性質、または法則。
    1. [初出の実例]「故其暁道受教。不啻若地道之敏」(出典:童子問(1707)上)
    2. [その他の文献]〔易経‐繋辞下〕
  3. 地下に設けた道路。地下道。
    1. [初出の実例]「茲に歳ありて都て風情を穿つや地道(チダウ)の如く、流行に疾こと伝信機の音便を待たず」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉一一)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐袁紹伝〕
  4. ( 形動 ) ( 馬を並み足で進ませる意の馬術用語から ) 手堅く着実なこと。また、そのさま。じみち。
    1. [初出の実例]「人は地道(チダウ)なるこそよけれ」(出典:浮世草子・武道伝来記(1687)八)
  5. 地球が運行する道。地球の軌道
    1. [初出の実例]「地道の橢円を知り新行星を発明する等」(出典:明六雑誌‐一三号(1874)想像論〈津田真道〉)

じ‐みちヂ‥【地道】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 静かに歩くこと。ふつうの速度で歩くこと。特に、馬術で、馬をふつうの速度で進ませること。また、そのさま。緩歩。なみ足。褻道(けみち)。地乗り。⇔早道(はやみち)
    1. [初出の実例]「ちみちと、今人のよくいふ言葉也。けみちといふべし」(出典:弓張記(1450‐1500頃か))
    2. 「落延てからは地道の膝栗毛」(出典:俳諧・広原海(1703)八)
  3. ( 形動 ) 手堅く着実なこと。かけひきなく堅実なこと。じみでまじめなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「地道(ヂミチ)奉公に出さんとすれば針手が利かず」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)三)
    2. 「知らぬ呉服商売より、やっぱり知った盗するが地道じゃわい」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)五)
  4. 地下につくった道。地下道。ちどう。
    1. [初出の実例]「地道(ヂミチ)の事」(出典:軍法極秘伝書(1579頃か)五(古事類苑・兵事一四))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の地道の言及

【城攻め】より

…城壁の高さは5~8mであったから,まず距闉(きよいん)と呼ぶ,城壁より高い土山を作り,城内を俯瞰(ふかん)し,攻撃の指揮をすると同時に,火矢や弩(ど)石をここから発射もする。一方,地道と呼ぶトンネルを掘って城内に通じさせたり,付近の河川をひいて水攻めにするのも常套手段である。攻城法がかなり進んだ宋代,《武経総要》にのせる地道は次のようにして掘られた。…

※「地道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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