坐賈(読み)ざこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「坐賈」の意味・わかりやすい解説

坐賈
ざこ

中国で土着商店のこと。貿易商客商(きゃくしょう)、仲買業者の牙行(がこう)と並び、流通組織の三大構成要素の一つである。ただし坐賈は、小売商、小卸、せり人、卸問屋ほか、関連の金融業倉庫業運輸業を含み、全体で地元の卸売市場社会をなすものであって、かならずしも合理的な分類ではない。店を構えない零細な業者は除外されたので、いちおう資産のある地元商人と考えてよい。大きい卸売市場の大坐賈は、牙行やせり人、小卸、小売店傘下に抱えていた。

斯波義信

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普及版 字通 「坐賈」の読み・字形・画数・意味

【坐賈】ざこ

坐商。

字通「坐」の項目を見る

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旺文社世界史事典 三訂版 「坐賈」の解説

坐賈
ざこ

客商

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世界大百科事典(旧版)内の坐賈の言及

【牙行】より

…行は今日の商社に当たる。一般に商人を伝統的に3区分して,商(客商=貿易・外地出稼ぎ商),賈(こ)(坐賈・坐鋪(ざほ)=店舗を構える卸・小卸・小売商)と牙行に分けるが,この際,客商と坐賈の取引を周旋するのが牙行の役割である。具体的な流通過程では,貿易業者は各地の卸売市場を訪れて荷卸・集荷をするが,各卸売市場は,卸(批発)と小卸(批発,零売)に分かれ,それぞれ牙行を兼営するか,あるいは専業化した牙行を介在させた。…

【行商】より

…今日も彼らの営みは持続している。販女【北見 俊夫】
[中国]
 中国の商人は坐賈(ざこ)と客商にわかれる。前者は店舗商人であり,後者は各地をまたにかけて活動する商人をいう。…

【雑喉場】より

…雑喉とは種々入りまじった小魚のことで,それを売買する所を雑喉場といい,大坂魚市場の固有名詞となった。1495年(明応4)ころ,蓮如の石山本願寺建立のときできたという。のち豊臣秀吉が大坂城築城のとき城に近く,また魚類の運送に不便であるとして,1597年(慶長2),靱(うつぼ)町(現,東区伏見町)に移し,さらに1618年(元和4)大坂の復興に伴い上魚屋町(東区安土町)に移るとともに,冥加金を上納して,大坂唯一の魚市の特権を得た。…

【商人】より

…三国時代以後には商業が衰えたので商人は自己を主張することができず,南北朝を通じてこの傾向は続いたが,隋唐から宋代にかけて勢力をもりかえし,明清時代には大商人が輩出した。 中国の商人は客商,坐賈(ざこ),牙行(がこう)の3種に大別される。客商は物資を生産地から消費地に販運する商人で,大商人が多く,数十の舟車をつらね,多数の従業員を使って全国的な規模で活動した。…

【宋】より

… これら諸産業の勃興をうながしたものは商業であり,とくに宋代は商業が飛躍的に発展した時代と特徴づけることができる。商人には,遠隔地商業を専門とする客商,都市に常住して店舗をかまえる坐賈(ざこ),仲買を業とする牙儈(がかい),牙人に大別することができ,大都市の商人たちは業種ごとに行(こう)という商人組合を結成した。行はもともと自律的な組織であったが,その大部分は政府所要の物資を調達するかわりに営業の独占権が認められた御用組合となり,二,三の豪商に牛耳られることが多かった。…

※「坐賈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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