坑夫(読み)コウフ

デジタル大辞泉 「坑夫」の意味・読み・例文・類語

こう‐ふ〔カウ‐〕【坑夫】

炭坑鉱山で採掘作業に従事する労働者
[類語]鉱夫

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精選版 日本国語大辞典 「坑夫」の意味・読み・例文・類語

こう‐ふカウ‥【坑夫】

  1. 〘 名詞 〙 鉱山や炭坑で採掘作業に従事する労働者。
    1. [初出の実例]「黒人や坑夫や職人抔はむやみに可愛がって」(出典:颶風新話(航海夜話)(1857)二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「坑夫」の意味・わかりやすい解説

坑夫(宮嶋資夫の小説)
こうふ

宮嶋資夫(みやじますけお)の中編小説。1916年(大正5)1月近代思想社から、堺利彦(さかいとしひこ)・大杉栄(さかえ)の序を付して刊行題材は、茨城県のタングステン鉱山に事務員として1年数か月勤めた体験による。かつて「野州の山」の暴動の際主唱者よりも勇敢に闘った石井金次は、怯懦(きょうだ)な仲間たちの裏切りにあい、放浪坑夫となって、いまは池井鉱山に流れてきている。しかしここでも、怠惰な坑夫仲間への激しい反発は、石井を酒とけんかと女との凶暴な生活と出口のない寂寥(せきりょう)に落とし込み、ついには渡り者との決闘に倒れてしまう。石井の反発は個人的な域にはとどまるが、労働者と労働現場の生き生きとした描写が、『坑夫』を大正期労働文学の秀(すぐ)れた先駆作品とした。

[大塚 博]

『『宮嶋資夫著作集1』(1983・慶友社)』


坑夫(鉱山労働者)
こうふ

鉱山労働者

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旺文社日本史事典 三訂版 「坑夫」の解説

坑夫
こうふ

明治後期の彫刻家荻原守衛の作品。1907年作。

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世界大百科事典(旧版)内の坑夫の言及

【宮嶋資夫】より

…本名信泰。小学校高等科に学んだ後いろいろな職業を転々としたが,1913年《近代思想》を通じて大杉栄,荒畑寒村らと交渉をもつようになり,みずからの労働体験をもとに大正労働文学の代表作《坑夫》(1916)を発表。その後大杉と隔たり享楽的な生活に入ったりしたが,第1次大戦終了ころから文筆活動に入り,小説集《恨みなき殺人》(1920),《犬の死まで》(1922),自伝《裸像彫刻》(1922),評論集《第四階級の文学》(1922)などを刊行,アナーキズム運動にも従事した。…

※「坑夫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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