垣立(読み)カキタツ

デジタル大辞泉 「垣立」の意味・読み・例文・類語

かき‐たつ【垣立】

《「かきだつ」とも》和船左右の舟べりに、垣根のように立てた囲い。かきたて。

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精選版 日本国語大辞典 「垣立」の意味・読み・例文・類語

かき‐たつ【垣立】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かきだつ」とも ) 和船の舷側上部を構成する欄干状の垣。近世の大型商船(いわゆる千石船など)や軍船では、複雑かつ大掛りのものとなり、中央の伝馬込(てんまこみ)より前部を舳(おもて)垣立、後部を艫(とも)垣立という。商船の場合、艫垣立は舳垣立より高く造られ、艫の屋形の側面を構成し、ここに乗組員の出入り口である開(かい)の口(くち)や窓を設ける。軍船の場合は総矢倉といって舳から艫まで六尺(約一・八メートル)程度の高さにするのが通例だが、小早船などは三尺(約九〇センチメートル)ほどで、これを半垣造りという。かきたて。かき。
    1. [初出の実例]「文覚少もさはぎ給はず、千すぢのかけなは押切ってかきだつに足打もたせ」(出典:浄瑠璃・頼朝伊豆日記(1693頃)一)

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