【Ⅰ】親液ゾルに大量の電解質を添加したとき,分散質が沈殿する現象.いったん沈殿した分散質は,電解質を除去すれば可逆的にもとのゾルに戻る.電解質には硫酸アンモニウム,硫酸マグネシウムなどがしばしば用いられる.タンパク質の分離精製,せっけんの製造などに利用される.【Ⅱ】溶媒抽出において抽出系に無機塩類を添加することにより目的物の抽出率が増加する現象をいう.主としてイオン対抽出系に見られる現象であるが,たとえば硝酸ウラニルのエーテル抽出に際して,硝酸カルシウム,硝酸アンモニウムなど硝酸塩の添加とともにウランの分配比が大きくなる現象が知られている.この例のように,錯形成イオンの濃度を増大する効果のほかに,塩析剤の添加は水相中の水の活量の減少,あるいは溶存化学種の活量に変化をもたらし,目的物の分配比を増加させる.このような目的には水和しやすいアルミニウム(Ⅲ)やリチウム(Ⅰ)などの塩が用いられることが多い.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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…これらの親水性分子コロイドが安定なのは分子表面が強く水和しているためで,多量の電解質を加え水和水を奪うことによって沈殿させることができる。これを塩析という。塩析効果はイオンの水和力の順になり,次の系列が知られている。…
※「塩析」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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