精選版 日本国語大辞典 「声楽」の意味・読み・例文・類語
せい‐がく【声楽】
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人声のために、人声による表現を主たる目的として作曲、演奏される音楽。器楽の対語。人声が用いられていても、作曲者の主たる関心が器楽に向けられている場合、たとえばベートーベンの交響曲第九番やマーラーのいくつかの交響曲の場合は、声楽の枠内には入れられない。声楽の西洋音楽および日本音楽の一般的な分類方法は のとおりである。ただし、この分類は便宜的なものにすぎず、個々の場合でその様相は多様に変化する(たとえば、モテットやカンカータには世俗的な内容をもつものもある、など)。
[石多正男]
声楽は当然のことながら歌詞を伴う。作曲に際しては、通常その歌詞の内容を表現することが作曲家の最重要課題である。したがって、声楽における形式、旋律、和声などはその歌詞に左右される。たとえば、詩がドイツのバラーデのように中世の歴史上あるいは空想上の事件やロマン的な物語を扱っている場合には、通作形式(繰り返しがなく全曲通して作曲される)で作曲され、素朴な民謡調の歌曲などは有節形式(同じ旋律が詩の各節で繰り返される)で作曲されることが多い。また、作曲家は声楽の旋律を創案する場合、かならずその歌詞がもつことばのアクセントや意味を考慮し、それに適するリズムや音の動きを当てはめねばならない。たとえば、ことばの一音節に一音符を与えるか(シラビックな様式)、一音節に多音符を与えるか(メリスマ的な様式。母音唱法で歌われる)は、そのことばが曲中で果たす役割に左右される。また、激しい感情を表現する場合など、しばしばその箇所に増減音程が用いられる。
[石多正男]
声楽家は作品を作曲家の意図に従って表現すると同時に、その表現の仕方に自身の解釈を加えようとする。しかしそのためには、技術的な訓練として発声法を学ばなければならない。発声とは呼気が声帯を振動させて声を発生させることをいうが、このときの声楽家の姿勢、呼吸(一般に横隔膜の上下によって呼吸をコントロールする腹式呼吸が使われる)、舌、唇、歯、鼻腔(びくう)、口腔、胸腔など、身体全体の状態によって生み出される声は、美しくも耳障りにもなる。声楽家はこれらの諸器官を駆使して、自身の表現にもっとも適した声の音色、音質、声量、声区(胸腔を中心に響かせる胸声、顔頭部の諸共鳴腔を中心に響かせる頭声、裏声とよばれているファルセットなど)を選ぶ。西洋の声楽教本には、コンコーネ、パノフカ、サルバトーレ・マルケージ、マチルデ・マルケージなどによるものがあり、声楽のさまざまな技法を学ぶため、広く使われている。
なお声楽家は、女性はソプラノ、メゾ・ソプラノ、アルト(コントラルト)、男性はテノール、バリトン、バスの、以上六つに分類される。
[石多正男]
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